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「君、面白いね。呪力ゼロなのに、世界を塗り替えちゃいそうなエネルギーを持ってる」
「……あんたが、ここの親玉か?」
リムルと五条。
二人の「最強」の視線が、雨の中で静かにぶつかった。
静まり返った少年院の跡地。
五条悟は、目の前に立つ青銀髪の少年(リムル)を眺め、不敵に微笑んだ。
「『悪いスライムじゃない』……ね。その割には、さっきの特級、指一本で消し飛ばしちゃったじゃないか」
五条がゆっくりと一歩踏み出す。
その瞬間、リムルの脳内に無機質な声が響いた。
『警告。個体名:五条悟からの敵対行動を検知。対象の周囲には無限の空間が展開されており、物理的接触は極めて困難と推測されます』
(「無限」……? 物理法則をいじってるのか。ラファエルさん、解析できるか?)
『解。瞬時に完了しました。対策案を提示します――』
リムルが思考している間に、五条の姿が消えた。
いや、**「瞬間移動」**に近い速度でリムルの背後に回り込んだのだ。
「ちょっとだけ、挨拶させてよ」
五条の拳がリムルの背中へ放たれる。
だが、その拳はリムルの肌に触れる直前、目に見えない**『多重結界』**に阻まれ、火花を散らした。
「へぇ! 僕の攻撃を防ぐなんて」
「挨拶にしては、ちょっと重くないか?」
リムルはふわりと宙に浮き、距離を取る。
五条は驚きに目を見開いた。六眼で解析しても、リムルの周りにあるエネルギーは「呪力」ではなく、純粋すぎる「魔素」。この世界の理(ことわり)そのものを書き換えるような異質な力だ。
「君、本当に人間じゃないんだね。呪霊でもない。……神様かなにか?」
「ただのスライムだって。……お返しだ、『神之怒(メギド)』!」
リムルが手をかざすと、雨粒を利用した無数の水のレンズが形成され、太陽光を収束。超高温のレーザーが五条を襲う。
五条は避けない。彼の術式**『無下限呪術』**が、自動的にそのレーザーを遮断する。
だが、五条は気づいていた。リムルの攻撃は、呪力による「術式」ではなく、徹底的な物理計算に基づいた「現象」であることを。
「あはは! 楽しいね、君。僕とやり合える存在なんて、そうそういないよ」
五条が楽しげに指を組む。
「じゃあ、これは防げるかな? 『術式順転・蒼』」
強力な吸引力を持つ空間の歪みがリムルを襲う。しかし、リムルは焦らない。
「吸い込む力なら、こっちのほうが得意なんだわ」
リムルが手を広げる。
「『暴食之王(ベルゼビュート)』、隔離(アイソレーション)!」
五条の生み出した「蒼」の空間そのものを、リムルの影が飲み込んで消滅させてしまった。
お互いに「え?」という顔で目が合う。
「……僕の術式、食べたの?」
「……あんたの引力、不味そうだったぞ」
二人の間に、戦いの中での変な親近感が生まれ始めたその時。
後ろで見ていた虎杖たちが、腰を抜かしたまま叫んだ。
「五条先生!! 少年院、跡形もなくなっちゃうからやめてーーー!!」
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