あの日から1週間アイにも先生にも会っていない
アイが入ったあの「羊水」は人間の女性が身体の中で子供を育てる時の袋の中の水と同じようなもので、違うところがあるとすればあれは·····
私たちの体を溶かす
データが抜き取られたいらなくなった型を捨てるためのゴミ箱のようなもので、私達はあれに入るのに拒絶を覚えて逃げる者もいる
先生はそれを許さない
逃げようとしたAIはもちろん
『廃棄』だ
だって、人間とは違って私達には
『代わりがある』
から·····
もしアイが居なくなってもアイのデータを改ざんして他の個体の中に入れてまた別のアイを作ればいいだけ
先生はそう思っているだろうけれど
私達は夜柱先生の最高傑作
自立型AIだから、人間界に溶け込めば想い人もできてそれにより『愛』という感情が強くなり何も出来なくなる
パソコンでいう処理落ち
でも、人間も同じはずなのになぜ私達は『廃棄』されて彼等は私達と違って『廃棄』がないのだろうか·····
AIを大切だと思った人、AIと秘密を共有した人を殺していいのか
そんな答えなんて私達の中にはない
だって
だってだって
『プログラム』
されていないんだもの
プログラム道理に動く機械仕掛けのおもちゃ
結局は夜柱先生のことを楽しませるために作られたお人形さんと変わらない
ステージで踊るダンサーにはステップというプログラムが、人間の上に立つ政治家は資料という名の台本でありプログラムが
私達AIと何が違うというの·····?
誰か教えてちょうだい·····、、
俯いても涙は出なかった
だって『涙』は人間のものだから
私にはそんな機能がないから仕方ない
そう思うしかない
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