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ベリアン:「それじゃあルカスさん。道はお願い致します。ハウレスくんはいつでも戦闘態勢に入れるようお願いいたします。」
ルカス:「わかったよ。」
ハウレス:「はい。」
道中とても静かで。
街の人への視線はいつものように。
我々に怒り、恨み睨む者。
我々に感謝を持ち微笑む者。
それぞれだった。
何事もなく街の外れに着き、孤児院へと向かっていく。
向かっている間は本当に中央の大地なのかと疑うほどに自然に囲まれていて、声を出せば響きそうなくらいに。
鳥のさえずりのみが外れの森の中で響いていた。
ルカス:「ここだよ。」
ハウレス:「ラトが言ってたように自然に紛れている感じがするな…。」
ミヤジ:「前ラトくんと少しだけ見たがやはりとても静かだ。」
ベリアン:「確かにですね…。それではグロバナー家より伝えられているとのことなのでもう行きましょうか。目安としては滞在は1から2時間程。刃物等は見せないようにお願いします。」
『分かりました。』
4人は足を踏み入れていく。
外の光が漏れ、とても明るく、色んなところが見渡せた。
3つの扉があるようで、何故、どう分けられているのか。4人は心のなかでそれぞれ考えていた。
考えていると1人大きな女性が向かった。
管理人:「こんにちは。悪魔執事。グロバナー家よりお話は伺っております‥」
ベリアン:「こんにちは。今回はお世話になります。」
ハウレス:「よろしくお願いします。」
ミヤジ:「ご丁寧に挨拶ありがとう、管理人さん。こちらこそよろしく頼むよ。」
ルカス:「よろしくお願いします。早々ですが管理人さん。連れて行ってもらっても大丈夫でしょうか?」
管理人:「確か男の子でしたっけ。それじゃあこちらに。」
静かに歩く彼女に彼らはついていく。
3つのうちの左側の扉を開ければ、約10人程の男性が各々座っていて。
開けられたことに気づけばこちらに視線が向いた。
中にはこそっと睨む者。
目を逸らす者。
色んな人がいて。
(かなり教え込まれて/いるね…/いますね…)
かなり歳の高い彼らはそう考えていた。
管理人:「それじゃ私は別部屋の子たちの世話していきますから…。他の世話人も来るかもしれません。あとこれカルテです。コレ見て決めてもらってもいいですから。」
ベリアン:「分かりました。有難うございます」
勢いが強めな扉の閉まる音に驚きながらも4人はカルテを見始める。
ルカス:「…名前がない子も居るんだね…」
ミヤジ:「あぁ。5歳未満の子もいる。」
ハウレス:「かなり精神的にも危ない子が居るそうです。対象となる方は他の部屋に居るのだとか…」
ベリアン:「そうなのですか…大変ですね…」
呟きながら彼らは見合っていた。
この子はどうか。でも〜が…
そんな会話が続いている。
そんな中でも部屋の中にいる子達は近づく様子もなく、きっちり教え込まれているのだろう。
その中で4人が決めた孤児。
子供の対応が得意なミヤジが代表として向かっていく。
ミヤジ:「君。こんにちは。少しいいかな?」
???:「ぼっ、ぃゃ、私、ですか?」
きれいな黒髪に青が少し混じったような素敵な髪。こ この孤児院は最低限なことしかしないのか髪はとても伸びており、きっと腰くらいまであるだろう。それだけ長い髪。
二重でまつ毛が長い彼はきっと女性と間違われるのではないかと思うほどに顔立ちがきれいだった。
それでもわかることは少なく、名前はなく、わかっていることは9歳であり、男の子というだけ。
ミヤジ:「礼儀正しいね。嬉しいけど、無理しなくていいからね。」
“私”と言い直したことにミヤジは気付いていて。少年は首をふる。
少年:「大丈夫、です。無理はしていませんから。」
ミヤジ:「そうか。でも無理はしないでね。それじゃあ本題に入るんだけど、今日此処に悪魔執事が来ることは知っていたのかな?」
少年:「はい。世話役の方からお話は伺っていました。」
ミヤジ:「なるほど。ちなみに君は悪魔執事のことをどう思っているか聞いてもいいかな。」
少年:「私は物心がついたときには此処に居て、管理人や世話人にしか悪魔執事のことを聞いてきました。彼女等は邪悪な存在、奇妙な噂が沢山あるのは聞きます。ですが、ぼk…あっ。私はこの目で見てから信じたいなとは思っています。」
ミヤジ:「うん。そうなのか…嬉しいね、」
少年:「世話人からの話によると新しい主様のことなのですが、私を考えているということでもよろしいでしょうか。」
ミヤジ:「あぁ。早々だけど、どうかな?」
少年:「…私が皆様方のお力になれるのなら…でも私はこんな何も経験がない凡人です。そんな私でもいいのですか?」
ミヤジ:「勿論だよ。これから16人の執事と沢山の経験を作ろう。」
少年:「そうですか…私、でよければ。」
ミヤジ:「嬉しいよ。それじゃあ管理人に伝えてくるから少し待っててくれるかい?」
少年:「勿論です。」
ミヤジはそっと立ち上がれば傍で見守っていた3人に報告すれば部屋を出、管理人に言いに行ったようだ。
ミヤジ:「さぁ報告が出来た。私の手をとって。行こうか。」
少年は頷き彼の手を取れば立ち上がり、歩いて行く。
ルカスは機嫌が良かった。理想の子を連れてこられたのだから。
街を歩く中、街の人の視線は悪魔執事より、中にいる彼を見つめるものが多かった。
だが何事もなく無事に屋敷についたのだった。
ベリアン:「ではこちらがこれから主様のお屋敷になります。」
少年:「かなり大きい屋敷ですね…全部屋覚えられるでしょうか…」
ルカス:「大丈夫ですよ。ゆっくり覚えていけばいいんです。」
少年:「ありがとうございます…。ではお邪魔します。」
少年が大きな扉を開いたとき。
沢山の大きな影がこちらを向いていた。