ハヴァマールの気配は消えた。
いったい、何者なんだ?
俺に『無人島開発スキル』をくれたり、今回は万能つるはしの『ゲイルチュール』を与えてくれたり。なぜここまで親しくしてくれるんだろう。
「まあいいか、おかげで俺の無人島ライフが快適になる」
さっそく万能つるはしを手にした。驚くほど手に馴染み、予想以上に軽量だった。これなら腕も疲れない。
――と、その前にスコルの様子を見に行こう。海の方へ歩いて行くと、そこには裸で体を清めるスコルの姿が……って、あッ!!
「~~♪ ……え、あれ。ラスティ……さん」
こちらに振り向きポカーンとした表情を向けるスコル。次第に顔を真っ赤にさせ、飛び跳ねた。そして、両手で大事な部分を隠し猫のようにうずくまった。
「あ、すまん」
「ちょ、ちょ、ちょっと……覗くとか!」
「いや、そんなつもりはなかったんだ。ただ、様子を見に来ただけで……まさかまだ海水浴をしていたとは思わなかった」
「お、女の子は時間が掛かるんですっ! ていうか、見ないで下さいよおぉぉ……」
「悪かった。俺は材料集めに戻るよ!!」
くるっと背を向け、俺は森へ戻った。……びっくりした。スコルの全裸をまともに見てしまった。スタイル抜群で胸でかすぎだろッ。やっぱり金髪エルフは絵になるというか、美人だなあ。
◆
俺は裸のスコルを脳内でイメージさせながら、ひたすら材料集めに励んだ。あの偶然のラッキースケベのおかげで俺のモチベーションは遥かに高かった。
エロパワーは最強なり!!
[所持アイテム]
木材×130
石×96
土×67
たった三十分程度だが、俺は万能つるはしで木を伐採し、石を砕き、土を掘った。各メイン材料を大量に入手。これら全てアイテムボックスに自動収納されていた。てか、そんな機能あったんだ。知らなかった。どうやら俺は使い方を知らないままだったらしい。
スコルによれば――
「普通の冒険者は、鞄とかをアイテムボックス化するんです。そうすると、ニ十個とか三十個程度のアイテムを保管できるんですよ~」
「へぇ、そういう事なのか。俺の場合、この万能つるはし『ゲイルチュール』に収納されるらしい」
「つ、つるはしに? 聞いた事ありませんよ。そんなの魔導具でしかあり得ませんが……。でも、どうやらそのゲイルチュールというアイテムはその類のようですね」
物珍しそうに観察するスコル。なるほど、ないわけではないらしい。まあ“万能”ってくらいだから、それくらい高性能なんだろうな。
さぁて、ここまで材料を集めたんだ。次はさっそく『無人島開発スキル』を使って、いよいよ開発を進める。まずは『湖』といこう。水の確保は最優先である。
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