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【shp side】
ci「ショッピくん行くで~!!」
チーノ様に連れられて図書館へ行く。
俺は奴隷。
なぜかこの国に連れてこられ、ショッピと名付けられた。
俺の名前は奴隷のはずなのに……
この国の幹部様たちは俺の事を殴らない。
無理やり犯してくることもない。
…まぁあったとしても、それに従うだけなのだが。
前の国では奴隷の俺にはルールが決められていた。
1,喋らない
どれだけ殴られようが、何をされようが「あ」の一文字も言ってはいけない。
2,ご主人様の言う事は絶対。
何があってもご主人の言う通りに動く。逆に自分で行動したらダメ。
3,ご飯はご主人様の残飯を食べる。
なお、ご主人様が食べ終わった後に食べる。
4,寝るのは一時間だけ。
寝る場所は外、もしくは物置で寝る。座っても寝転んでもいけない。
5,夜の9時には服を脱いでご主人様のベッドで正座して待っておく。
毎日のようにご主人様の欲の発散をする。
などなど。
他にもあるが、まぁいいだろう。
だがこの国は違った。
時々、総統様の絶対命令が下るが、その時以外は好きなことをしろ、と言われた。
一度だけ喋ってしまったことがある。
だが、誰も怒らなかった。
ご飯も寝るのも全て一緒の時間に、だった。
寝るのもベッドで横になって寝るんだ、と言われた。
初めてベッドの中で寝た。
初めて横になって寝た。
初めて一時間以上寝た。
前の国では怒られて殴られていた事が、この国では何事でもなかった。
でも…
「いい?あなたに感情は必要ないの、全て人に従いなさい」
「あなたがいるせいで空気が汚れるんだから、行動したらもっとダメになるわ」
そう教え込まれてきた。
でも俺の世話をしてくれるチーノ様と鬱様は、俺に良くしてくれる。
初めて、人に良くされた。
だが、俺の心は変わらない。
ご主人様が変わっただけなのだ、今まで通り俺は奴隷として生きていけばいい。
ご主人様の言う通りに生きていけばいい。
俺はそれ以外の生き方を知らないのだ。
でも…俺に感情が許されるならば……