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「ここどこ!?何処なの!?」
トリックスターが私にしがみつきながら、さっきまでいた場所が急に変わったことに驚いていた。
「落ち着いて。まず、ここは儀式をする場所。」
「嘘でしょ…?」
「本当だから。で、今から私と一緒に行動する。守ることは一つ。絶対に大声を出さないこと。分かった?」
トリックスターは何も言わず涙目になりながら頷いた。
「よし。じゃあついてきて。」
走りながら近くにある発電機を発見し、修理していった。
「初めて触るのに何故か腕が動く…」
「あまり気にしちゃダメよ。…ん?」
私は徐々に鼻歌が近くなっていることに気づいた。
「(まずいわね…)一端発電機は後にして隠れるわよ。」
「わ、分かった。」
遮蔽物に二人で隠れるが徐々に私の方から鼻歌が大きく聞こえてくる。
「走って!」
「う、うん…」
私は後ろを振り向いた。
「あ…(まずい…!)」
「な、なになに!?何なの!?」
「ハントレスだ…!」
「うそぉ!!」
ハントレスは腕を上げ斧を投げる。
偶然にも私の真横に斧が通り、間一髪で生き延びた。
「ね、ねぇ、こんなときに聞くのもなんだけど、どうやって逃げるの!?」
「敗けを認め自ら殺されに行く、もしくはフックに吊るされるまでチェイスをするのみ」
「僕そんなに体力ないよ…!」
「ったく…!ほら、先に行って!!」
私はトリックスターの後ろに行き、彼の背中を押した。
「えっ…」
「私が時間を稼ぐ!あんたは逃げろ!!」
私はハントレスとチェイスをした。
だが、すぐに投げられた斧が当たり、地面に倒れてしまった。
「あぁ…!!」
トリックスターの逃げる時間稼ぎくらいは出来たかな…。
私の体に浮遊感が伝わる。
嫌だなぁ…もう何回フックに吊るされたか…あの痛みはもう二度と味わいたくない。
そんなことを考えて目を閉じると、ハントレスが叫びながら私を降ろした。
「速く逃げるわよ!」
懐中電灯でハントレスを照らしたのはミンだった。
「ありがとう、フェンミン…!」
「言ってる場合!?とりあえず逃げるわよ!」
「分かったわ!」
私は遮蔽物の多い所へ行き、フェンミンに治療をして貰う。
「…これでよし。さ、速く発電機を修理するわよ!」
「ええ。あの、トリックスターは…?」
「近くの発電機を修理してるわ。意外と環境慣れするのが速いみたいね。」
「そっか…。」
良かった。逃げれたのか。
「私達もそこに行くわよ。三人なら速く終わるわ」
「そうね」
それから負傷中だったドワイトを治療し、発電機をみんなで修理して、ついにゲートを通電できることに成功した。
「あとはゲートのスイッチを入れるだけね…!」
「急ごう!」
「トリックスター、あんたがゲートのスイッチを入れて。」
「分かったよ!」
ミンの指示にトリックスターが従った。
こんなところで言うのもなんだけど、彼との仲を深めれて良かった。
気づくとゲートが開かれていた。
「よし、行こう!」
なんとか私達は全員生存で脱出できた。
私やミン、ドワイトは一度フックに吊るされたが…。