アーサーside
あれから疲労が溜まったまま家に帰った。
結局、楽しみにしていたゲームも出来なかったし、あの家にブラコンモンスターがいるせいで、本田の家は当分遊べないだろう。
お詫びをするどころか、また俺の失言のせいで迷惑をかけてしまった。2回分のお詫びをしなくちゃな。
『今日はすまなかったな。おれの失言のせいだ』
『あれからお兄さんは落ち着いたか?』
『えぇなんとか』
『てゆうか、元々私の兄が起こした問題ですし謝らないでください』
『優しいな。ありがとう』
『それと、今日お詫び出来なかったから明日外で遊ばねぇか?』
『すいません。明日は予定があるので』
『そうか。じゃあ次遊べる時また言ってくれ』
『すいません』
LAINで彼と遊べないことを知る。ショックだが、しょうがない。これからは発言に気をつけようと反省し、リビングへ向かった。
「マシュー!君それはズルくないかい!?」
「ズルくないよ、ちゃんとした戦法だよ」
「おりゃ」
「ああー!また負けたんだぞ!」
リビングに入ると、いつものようにアルフレッドとマシューがテレビゲームで遊んでいた。
「マシューあんまアルをいじめてやんなよ。また前みたいに拗ねて口きかなくなるぞ」
「アルは手を抜かれるのが1番嫌いなのアーサーも知ってるでしょ?だから本気でやってあげてるんだよ」
「次は負けないんだぞ!」
「全く、そんな調子じゃ日付変わっちまうぞ。明日休みだからいいが……」
「え!?もうそんな時間なのかい!?」
「ほんとだ、つい夢中になっちゃったね」
「ってアル!?もう寝ちゃうの!?」
「珍しいな。お前が負けたまま寝るなんて」
「まぁ、勝負はお預けにしといてやるんだぞ!明日はМy friendと遊ぶ予定があるからね!」
「おー、ちなみにどこ行くんだ?」
「映画だぞ!」
「あー、じゃあ土産げにポップコーン買っ………」
その時、本田とのLAINのやり取りを思い出した。いや、まさかな、とは思い念の為確認をとる。
「? どうしたのアーサー」
「お前……ちなみにそのМy friendの名前ってなんて言うんだ、?」
「菊だけど」
「は、……はぁ!?」
もしかして、あのブラコンモンスターが言ってた”他の友達”って、まさかこいつのことか!?
「ど、どうしたんだい急に、気持ち悪いんだぞ」
「お前……本田といつから友達に…」
「あれ?言ってなかったかい?もう3、4年前ぐらいだね」
「そ、そうか……お前が…」
「ア、アーサー大丈夫?きっと疲れてるんだよ。もう今日は寝よう?」
ショックで動けなくなった俺を、弟達がベッドまで運んでくれた。
本田side
「全く、貴方って言う人はなんでいつもそうなんですか!」
「しょうがないある!菊が浮気したのが悪いね」
「耀さんと付き合った覚えはありません!」
「だって……あの眉毛、前我のバイト先でもダークマター作り出して客が病院行きになったんあるよ!?そんな危なっかしい奴、菊のそばに置いとく訳にはいかねぇある!」
「知り合いだったんですか、」
「顔見知り程度ある」
「それでもあの態度は失礼です。今度しっかり謝って下さいね」
「………ん」
納得がいっていないような素振りだったが、彼なりに反省したのだろう。寝ようと立ち上がった時、「おやすみのぎゅーするよろし」なんて可愛いことを言うから、私の黒歴史を刻んだ元凶でも憎めなかった。
兄の我儘を済まし、自分の部屋へ向かうとスマホから通知が来ていた。そう、アーサーさんからだ。
何を言われるのか、恐る恐る通知を押してLAINを開く。
『今日はすまなかったな。おれの失言のせいだ』
『あれからお兄さんは落ち着いたか?』
だが、やはり彼は優しいメッセージで気遣ってくれた。そうだ、この方はそういう方でしたね。
『えぇなんとか』
『てゆうか、元々私の兄が起こした問題ですし、謝らないでください』
『優しいな。ありがとう』
『それと、今日お詫び出来なかったから明日外で遊ばねぇか?』
確かに。明日は耀さんは大学の用事で出かけるし、問い詰められることもないから行きたかった。が、生憎アルフレッドさんとの映画の予定があったから勿体無いが、『すいません。明日は予定があるので』と誘いを断った。
『そうか。じゃあ次遊べる時また言ってくれ』
『すいません』
そこで明日も用事があるのだと思い出し、部屋の電気を消し、すぐに眠りについた。
コメント
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1話から見させてもらってます‼️がががさんの朝菊大好きです😭💗投稿楽しみにしてます😖✌️