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放課後の教室、1つの机に椅子を持ってきて涼ちゃんと2人で向かい合わせで雑談に花を咲かせている。最近はこんなことがあったとか、今ハマってるものとか。
楽しそうに話を聞いてくれる涼ちゃんの姿に、ふと昨日見かけたことを思い出す。
「昨日なんか手紙みたいなの貰ってなかった?」
昨日の放課後、若井の部活を待っている時に靴箱で涼ちゃんの姿を見かけた。直ぐに話しかけに行こうと思ったが、どうやら死角にもう1人女の子がいたようで慌てて身を隠した。盗み見、というつもりはなかったけれど女の子が何か手紙を手渡すところを見てしまった。
「あー…、ラブレター!」
元気よく言葉を発した涼ちゃんに思わず え、という声が出てしまう。恋人のいる人間がそんな簡単にラブレターなるものを受け取ってしまっていいのだろうか。
「中身見たの?」
「いや?」
「え、もしかして見ないで捨てたりしたの?」
思いついた最悪の可能性を述べてみるが、流石に否定された。
「あははっ、そんなことしないよ。可哀想だし。」
なんで笑っているんだ、と出かけた言葉を飲み込む。
「じゃあどうしたの?まだ持ってんの?」
「若井が持ってるよ。」
何故今の話の流れで若井の名前が出てくるんだ。しかも受け取った本人は内容を見ずに第三者に渡している。この2人のカップルはたまにどこがズレていると思っていたが、これ程までとは。
「…あげた女の子が不憫でならないんだけど。」
「んー、でも渡さないと若井が嫌がるから。」
困ったように眉を下げる涼ちゃんに少しだけ同情する。若井の愛が歪んでいるのは昔から知っているし、彼の持っている独占欲というものだろうか。
「大変だねー涼ちゃんも。」
「そうかな?僕は嬉しいけど。」
そう言って微笑む涼ちゃんに呆れた顔を向ける。きっとこの2人はお似合いだ。そんなことを思っていると、廊下から聞こえてくる足音に背伸びをする。
「若井来たかも。まあ、お幸せに。」
案の定、開かれた扉には若井の姿があった。
「涼ちゃーん!お待たせ!」
「若井!お疲れ様。」
「俺も居るんだけど!!!!」
若井が貰ったラブレターを涼ちゃんも先に読んでいたことを知るのはまだ先のお話。