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「星導」
『んー?』
「天国ってほんとにあると思う?」
『…なんでそんなこと聞くの?』
「別に気になっただけ」
『宇宙のことなら教えて
あげられるんだけどね』
『天国は分からない』
彼は目を逸らしながら言った
「そっか」
⚠️rbru.死ネタ
rb
「星導、今日は星が綺麗だ」
『そうですね』
窓際で星を見ていた小柳くんにキスをした
カーテンがベールのように 綺麗に靡いていて
彼の照れ顔もうっすらと見える
『結婚、したいなぁ』
「…出来るよいつか」
『ここまだ痛い?』
「ちょっと」
『ごめんね何も出来なくて』
「いいんだよ俺が耐えればいいだけ」
『いつでもおいでよ』
『俺ずっとここにいるから』
「うん」
『約束ね』
小柳ロウ高校二年生
幽霊の俺の姿が見える特殊な人
出会いは高校一年生の夏
俺が住み着いている場所は
廃棄された 学校でとても古い
その中でも唯一綺麗と言える場所は理科室
俺が生前理科の先生をしていた時に
使っていた部屋
そこで道に迷った小柳くんが俺を見つけた
そこから定期的に来るようになって
小柳くんと付き合った
小柳くんは学校で虐められている
そのせいで体と心はボロボロ
俺は幽霊だから何もしてあげられない
小柳くんの話をただ聞いて慰めるだけ
愛する人が辛い時俺は何も出来ない
「俺さ今すごい幸せ」
「大好きな人もできて毎日話せて」
「超幸せなんだよ星導」
『……小柳くん?』
「だから」
「死にたい」
『死んでもいいことないよ』
「星導と一緒にいれるじゃん」
『自殺するの?』
「それしか方法はないから」
『自殺したら天国行けないよ』
「それは星導もだろ」
正論を返されて何も言えなくなった俺を見て
「ごめん、言いすぎた」
『ううん、俺こそごめんね』
『…ほんとに死にたい?』
「うん」
「ずっと死にたかった」
「何をしてても楽しくない
幸せなんて現れない」
「そんな世界生きててもつまんないから」
『そっか』
「星導海行こう」
『外寒いよ?』
「大丈夫お前となら」
『わかった』
海辺にある学校だったから歩いて海辺へ行った
風が冷たく今すぐにでも戻りたかった
「星導、俺の事見守っててくれる?」
『もちろん』
「まっててすぐそっち行くから」
『…うん』
『だいすきだよ』
「俺も」
「ッつめた」
『やっぱやめない?』
「ごめんそれだけは無理」
「今にでもそっちに行きたいんだ」
『うん、』
分かりきってたここまで来たら戻れないって
けど俺には止める権利がない
気がついたら小柳くんはほぼ足がつかない
場所まで行っていた
俺の方を見ながら愛してると口パクをして
波へ飲まれてしまった
『…小柳くん』
「星導」
『大丈夫?どこも痛くない?』
「大丈夫だよ」
『おいで』
ギュッ
「星導に触れられる」
『小柳くんこんなに暖かかったんだね』
「…星導なんで泣いてんの」
無意識に涙が出ていた
あんまり泣かないようにしてたのに
「やっぱ死んで欲しくなかった?」
『そりゃもちろん』
「でも俺は死んで星導といた方が
幸せだと思った」
『ありがとね』
「俺幸せになれるかな」
『もう苦しいことも我慢することもないから』
『幸せになれるよきっと』
『大丈夫』
『小柳くんは幸せになっていいんだから』
17歳という若さで自ら命を絶った小柳くん
まだ明るい未来もあったかもしれないのに
でも彼がこれで幸せになれるなら俺も幸せだよ
『じゃあ行こっか』
「何処に?」
『天国だよ』
天国へ行ける条件│
最も愛する人を 近くで見守り
その人の死を見届けること
「星導、天国行けること知ってただろ」
『さあ、なんの事かわかんない』
分かってたに決まってる
でも小柳くんに死んで欲しくなかったから
言わなかっただけなんだよ
Fin.