テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ふたりだけの夜」
名前伏せ無し
夜が深まった頃、静かな部屋に
並んで座るふたり。
「なぁ、さとちゃん……」
ベッドの上、Tシャツ一枚で隣に座る
ジェルが、もじもじとさとみに目を向ける。
「ん?」
「…今日は、その…、なんか…ちゃんと
触れたい気分、っていうか」
言い終わる前に、さとみはにやりと笑った。
「……そっか。やっと素直になった?」
「う、うるさいな……お前が最近
忙しくて、寂しかったんやからな」
少し拗ねたように口を尖らせるジェルを、
さとみは愛おしそうに見つめる。
「ごめんって。今日はいっぱい甘えさせてよ」
そう言って、そっとジェルの頬を撫でた。
指先が触れただけで、体が熱を持つ。
目が合うだけで、心が跳ねる。
もう、止まらない。
シャツを脱ぎ、互いの肌が
触れ合った瞬間、思わず息を飲む。
「さとちゃ、……」
「……ジェル」
ふたりの下半身は、 もうすでに
反応し始めていた。
温もりを帯びた欲望が、
布越しにぶつかり合っている。
「…試してみる?ずっと前に話してた、あれ」
「……兜合わせ?」
ジェルが目を見開く。
さとみはいたずらっぽく笑いながら頷いた。
「興味あるんだろ?
俺もお前となら、 やってみたい」
布を脱ぎ捨てると、互いの熱が
空気に触れ、ひときわ存在感を増す。
肌の色、形、固さ、脈動
すべてがリアルで、
生々しくて、けれど愛しい。
「……恥ずかしいな」
「お前、勃ってんじゃん。かわいー」
「うっさいわ……!」
そんな言葉の応酬も、
熱の中では 甘く溶けていく。
ふたりの先端が、ぴたりと重なる。
「カツッ」とぶつかった音に、
思わず笑ってしまう。
「ほんとに、兜合わせって感じやな…」
「うん…でも、思ってたより気持ちいいかも」
ぬるりと擦り合わせると、
互いの熱が絡み合っていく。
濡れた先端同士が擦れ、
いやらしい音が微かに響く。
「は……ぁ、ん…っ」
「ジェル喘ぎ声やば……」
「さとちゃんの声だって…、
色っぽすぎんねん……」
お互いの腰が自然と動き出し、
リズムが合っていく。
ぬち、ぬち、と小さな水音が響き
快楽がじわじわと高まっていく。
「もう……出そう……」
「俺も……っ、ん、いっしょに……っ」
最後は、息を殺すように、
お互いの名を呼びながら
互いの精が、熱く溢れ出した。
腹の上に飛び散る白濁と、重なる心音。
汗と吐息の中、ふたりは
静かに顔を見合わせた。
「…ばか。こんな気持ちいって反則やろ…」
「そっちこそかわいすぎ。なにその顔、えろ」
「うるさい、っ」
そう言いながらも、ジェルは顔を
真っ赤にして、さとみに寄り添う。
「…次は、お前が責任取って、全部拭けよ?」
「はいはい、お姫様」
軽口を交わしながら、熱の余韻の中、
ふたりはそっと唇を重ねた。
愛しさが溢れる夜。
ふたりだけの秘密が
また一つ、深く刻まれた。
腹の上に滴る白濁を、
さとみが指先でゆっくりなぞる。
とろりと絡まる感触に、
ジェルは ビクリと身を震わせた。
「ひゃっ……な、なに、して……っ」
「かわいいな、お前。まだ、こんなに敏感」
「や、やめ…っ、 敏感なだけやねんて…っ」
指が下へと這い、内腿を撫で、
先ほど果てたばかりのジェルのモノに触れる。
「……でも、もうちょっと触ってたら、
また元気になってきてない?」
「っ……うそや……なんで、
そんなの気持ちよく……っ」
ジェルは顔を真っ赤にして、
さとみの胸元に額を押し当てた。
(こいつ……触り方、やらしすぎる)
じゅる、と先端を吸われたとき、
声を噛み殺すことすらできなかった。
「んっ、あ……あかん、それ、やば……っ」
さとみは、嬉しそうに笑って
ジェルの熱を口に含む。
舌で円を描き、裏筋をなぞり、
唇の圧でしごいていく。
「ん……んぅ、く、ぅぁ……っ」
ジェルは腰を引こうとするが、
さとみが太腿を抱えて逃がさない。
嫌がってるわけじゃないのはわかってる。
体がビクビクと快感に反応しているから。
「もう……出る……、っ」
一度目よりも濃く、熱いものが
さとみの喉奥に飛び込んだ。
むせることもなく、それを飲み下す
さとみの姿に、ジェルの目が潤む。
「バカ……なんで、
そんな優しくすんねん……っ」
さとみは口元を拭って、優しく微笑んだ。
「好きな奴の気持ちいい顔、
もっと見たいだけだよ」
言葉の端に滲む、確かな愛情。
だけじゃない。
さとみ自身も、もう限界だった。
「ジェル……今度は、俺の番」
自分の熱を握りしめ、
ジェルの太腿に押し当てる。
まだ濡れているそこを撫でながら、
徐々に腰を摺り寄せていく。
「ぅ、……そこ、擦れるの、むりぃ……っ」
「ここ、こんなにとろとろになってる。
触ってもないのに、開いてきてるじゃん」
「ちがっ、さとみが…
そうやって、意地悪するから…!」
恥ずかしさと興奮で、声が裏返る。
さとみはそのまま、ジェルを背中から
抱き寄せ、熱同士を擦り合わせた。
「あっ…ふ、ぅ、ぁあ……っ、や、ば……!」
「もっと、こすり合わせよう。
奥、擦れるように」
ふたりの熱が重なり、滑りながら擦れるたび、いやらしい音が空気を震わせる。
ぐちゅっ、ぬちっ、じゅぷっ……
互いの先端がぐいぐいと押し合い、
トロトロとした先走りが潤滑の代わりになる。
「こんなに、ぬれて……
どっちが先に イくか、勝負な?」
「や、やめろ、そんなん 言われたら
……ほんまに、もうっ……!」
腰を振り合いながら、目と目が合う。
どちらも汗まみれで、
乱れた呼吸のまま、唇を何度も重ねた。
「ジェル…出して……っ、いっしょに……」
「ぁ、あかん…もう、いく…いくぅ……っ!」
互いの腹の上に、白濁が跳ねる。
果てるまで見つめ合っていたその目は、
蕩けるように優しくて、甘くてそして愛しい。
快楽のあとの静けさの中、ジェルはさとみに抱かれながら、ぽつりとつぶやいた。
「…お前のこと、ほんまに好きや」
「俺も。今さら逃げられないくらいにはな」
ふたりの心も体も、もうとっくに、
ほどけるくらい重なっていた。