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甘やかされ上手
リビングには、兄弟たちが集まっていた。自由はテーブルに頬杖をつきながら、少しふてくされた表情をしている。
浩史「おい、自由。昨日の仕事、また遅刻しかけただろ?」
自由「別に間に合ったし……浩史兄さんがうるさいんだよ。」
浩史「間に合えばいいって問題じゃないんだよ。お前なぁ、社会人としての自覚が――」
浩史の説教が続く中、隣に座っていた潤が呆れたように笑う。
潤「まあまあ、浩史兄さん。自由はまだまだ子どもなんだから、そこまで厳しくしなくてもいいんじゃない?」
浩史「甘やかすな、潤! だから自由はこうなんだ。」
自由「うるさいなー、浩史兄さんは。潤兄さんくらい優しくしてくれたらいいのに。」
その一言に、浩史はさらに眉間にしわを寄せたが、潤は嬉しそうに肩をすくめた。
潤「ほら、自由だって俺の方がいいって言ってるじゃないか。」
浩史「潤、お前もいい加減に――」
そこに、櫻井がソファから立ち上がり、軽く手を振った。
孝宏「まあまあ、二人とも落ち着いて。自由が遅刻しかけたのは事実だけど、今日も元気に帰ってきたんだから、それでいいじゃないか。」
自由「ほら、孝宏兄さんも俺の味方。」
浩史「だから甘やかすなって言ってるだろ!」
浩史がさらに声を荒げようとしたその時、小野が静かに手を上げた。
大輔「ちょっと待って。自由、今日は何か嫌なことでもあったのか?」
自由「……別に。仕事は普通だったけど。」
大輔「じゃあ、浩史が怒ってる理由もわかるよな?」
自由「……うーん。」
少しだけ考え込むように沈黙した後、自由が顔を上げて小さく呟いた。
自由「でも、浩史兄さんの言い方が怖いんだもん。」
浩史「なっ!」
孝宏「浩史、確かにお前は言い方がきつい時があるよ。」
潤「そうそう。ちょっと可哀想だよね、自由。」
浩史は完全に追い詰められた表情で頭を抱える。
浩史「お前ら、いい加減にしろ……!」
自由「ほらね、浩史兄さんすぐ怒る。」
浩史「自由、お前もいい加減――!」
大輔「まあまあ、浩史。ここは一つ、自由に謝ってみたらどうだ?」
浩史「俺が謝るのか!?」
孝宏「大人は時に引くことも大事だよ、浩史。」
潤「ほら、浩史も『ごめん』って言ってみ?」
浩史が完全に折れた様子で、深いため息をつく。
浩史「……悪かったな、自由。言い方がきつかったかもな。」
自由「うん、分かってくれればいいの。」
満足そうに笑う自由の様子に、浩史は再び頭を抱えた。
浩史「もうやだ、こいつ!」
兄弟たちは爆笑しながら、浩史の肩を叩くのだった。