【Ras side】
突然友達が居なくなった。しかも三人一気にだ。
「昨日三人で遊ぶって言ってたよな…」と最後の会話を思い出しながら彼等の足取りを追った。
Parkhaオススメの飯屋はあそこしか無いから、きっと周辺に行ったら何か手がかりがあるかもしれない。
まだ何も手掛かりを見つけていないものの、そこに行けばなにかわかる。と謎の自信があった。
前にParkhaから貰ったマップを元に、
最後の手掛かりであろう店に向かった。
道中俺は凄く後悔をしていた。
何故誘われた時に一緒に行かなかったのか、行っていたらこんなことにはならなかったのでは無いだろうか、何か事件にまきこまれたのだろうか。
不安から思考が悪い方向に向いてしまい目頭が熱くなった。
泣いてる暇はない。そう自分を鼓舞し店近くの駐車場に車を停めた。
何も情報は無い、どこを探せばいいのか検討もつかなかった。
俺は周囲を片っ端から探し始めた。
少しの手掛かりでもいい、何も見つからなくても、自分を納得できる材料が欲しい。
そう思いながら下を向いて探していると、路地裏で何かが光った気がした。
希望を胸に路地裏に入ると、そこは飲食店のゴミ置き場らしく光るような物は何も置いてなかった。
肩を落とし、戻ろうとした瞬間何も無いところから光が出てきて俺の身体にまとわりついた。
「うわ!なんだこれ!」そう叫び光を振り払おうとした瞬間、その光の“記憶”が脳内に流れてきた。
記憶の中にはSelly、Zeder、Parkhaとだるまのフードを被った男、般若のマスクをした男が出てきた。
日本の現状、OverHEATとは、発現者とは、にわかには信じがたい話が次々と流れ込んでくる。
「なんだよ、これアニメ?」こんな事が本当に起こったのか?と考えていると、般若のマスクの男、ありさかが胸元から何か取り出した瞬間、青い光と共にSelly達が消えていく「Selly!!」そう叫び手を伸ばしていた。
だが、俺が見せられていたのは恐らくこの光の記憶。昨日ここであった事だろう。
Selly達はどこかに行ってしまった。人助け?一言相談してくれても…とその場に力尽きた様に座り込むと背後から声を掛けられた。
「うわっ!くさっ、ちょっとそこのおにーさん」振り向くとピンク色の髪でウエーブのかかった女の子がいた。だが、声からして男のようだ。その後ろから忍者の様な格好をし口元はマスクで隠れた男が現れ、
「ゴミ箱?聞いてない聞いてない。はよ出ん?」と言いながら路地の外に出ようと諭してくる。
「あ、あの、だれですか?」そう聞いた俺にピンクの髪の人は「おぉ、日本語上手いな、俺はnqrse、こっちのがVanillaさっき見たっしょ?うちらもCRね」そう簡単に自己紹介をした。
Vanillaと紹介された方は「えーと、Rasで合ってる?」と俺の名前を確認してきた。色んな事に驚きながらもやっとの思いで頷くとVanillaは話を続けた。
「俺等が来た理由やねんけど、SellyからRasを連れてくるように言われたんよね。」そこから俺の状況について説明された。
どうやら俺は正式な発現者とは違うらしく、Sellyの光に共鳴したらしい。
先程の光はSellyのものらしくSellyの記憶を共鳴した俺に見せていた。
大体だったが状況を把握した俺に続けて
「で、Rasはどないする?CR来る?共鳴者は俺等も初めましてやから来てくれたらそれはそれで助かるねんけど。」
断る理由もない、またSellyに会える。俺は元気よくCRに入ることを告げた。
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