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七章目行きます
「少年、さっきから聞いてれば『俺が守る』だって?気安く露葉の名前を呼ばないでよ。露葉は、僕の大切な幼馴染なんだから」
花子くんの声から、いつものからかうような軽さが消える。
その珀色の瞳は冷たく据わっていて、私を背中に隠すようにして一歩前に出た。
「怪異のお前に言われたくねえ!露葉さんは今にも消えちまいそうなのに、お前ら怪異が近くにいるから余計に危ねえんだろ!」
光くんも負けじと、赤くなった顔を引き締め、バチバチと青白い出を纏う霊力を構え直す。
「露葉さんは、俺が…..俺の命に代えても、現世(こっち)に繋ぎ止めてみせるッ!!!」「へえ、言うね。じゃあーーカずくで奪ってみなよ」花子くんが懐から黒い包丁をスラリと抜き放つ。
一瞬にしてトイレの中の空気がビリビリと張り詰め、怪異の強力な情念と、祓い屋の清烈な霊力がぶつかり合った。
「ちょっと2人とも、トイレの中で戦わないでよー!露葉ちゃんがびっくりしてるでしょ!?」
寧々ちゃんが慌てて止めようとするけれど、男の子2人の闘志はもう止まらない。
「はあああああッ!!!」
光くんが雄叫びをあげて踏み込み、雷を帯びた刀を振り下ろす。
花子くんはそれを、フワリと重力を無視した動きで軽がると探し、背後から光くんの首元へ包丁の背を向けた。
「遅いよ、少年」「くそっ、まだだ!」
光くんは即座に振り返り、霊力で包丁を受け止める。
ガキィイン!!と説い金属音が響き、青い火花が散った。
2人の戦いは激しさを増していく。
花子くんは余裕を崩さないものの、光くんが私を見るたびに「チッ」と舌打ちをして、いつもより少し攻の威力を上げているのが分かる。本気でヤキモチを焼いている証拠だ。
対する光くんも、実力差があるのは分かっているはずなのに、私の方をチラッと見ては「うおおお!」と顔を真っ赤にして何度も立ち上がってくる。
「(露葉さんに見られてるんだ、ここで不甲斐ねえ姿は見せられねえ……つ!)」
光くんのそんな真っ直ぐな心の声が、霊力の強い私には手に取るように伝わってきて、胸がキュンと切なくなる。
「あまね、光くん、もうやめて…..・!」私が思わず声をあげて、2人の間に割って入ろうとしたその時。
手首の月のブレスレットがシャラリと鳴った。
その音に、花子くんの動きが一瞬だけ止まる。
「ーーっ、露葉、危ないから下がってて」花子くんは私の安全を最優先して、光くんからパッと距離を取った。
光くんもハッと我に返り、慌てて霊力の雷を消す。
「す、すみません露葉さん……!怖がらせちまいましたか……つ?」
息を切らしながら、傷だらけの顔で私の心配をしてくる光くん。
「ううん、大丈夫。守ろうとしてくれて、ありがとう」
私がそう言って微笑むと、光くんは感しさと照れ臭さで顔が爆発しそうなくらい真っ赤になり、限界を迎えたようにその場にヘナヘナと座り込んでしまった。
「あーあ。少年、露葉に変なアピールしないでよね」
花子くんは面白くなさそうに包丁を仕舞うと、私の後ろからすっぽりと抱きついた。私の肩に顎を乗せ、座り込む光くんを「僕の勝ち」と言わんばかりに見下るす。
「露葉、やっぱり僕の助手になってよ。この少年じゃ、君を守りきれないよ?」耳で囁く花子くんの冷たい体温と、床から熱い視線を送ってくる光くんのピュアな想い。
私の心は、2人の異なる温かさに挟まれて、激しく揺れ動いていたーー。
コメント
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ええ話やったわ……! 花子くんと光くん、両方が本気で露葉ちゃんを守ろうとしてるのが痛いほど伝わってきてめっちゃ萌えた🔥 特に「遅いよ、少年」からの余裕顔と、光くんの「俺の命に代えても」の熱量、対比が綺麗すぎる。 露葉ちゃんの月ブレスレットで一瞬止まるシーン、ああいう仕掛け好きやわ。 次、どっちに心が傾くのか気になりすぎる。続き楽しみにしてます!
蜂蜜きな子
16
#犬
ここと🌹🫶 @低浮
203
みみ
49