朝起きて気だるい体を無理やり起こして学校に行く。
ご飯も食べずにクラクラ。
季節は夏、暑いから喉が渇いてカラカラ。
ぼっーとした頭を使って授業を受ける。
途中で授業をサボって学校の裏でフラフラ。
猫が居たので水をあげた。
喉が渇いていたけど、飲む気になれなくてストンと座ってぼっーとする。
猫が向かった方を見ながら壁に体を預けて、すっかり動かなくなった頭を休ませる。
疲れたなぁと何もしていないけど考えて、足音が聞こえたので目を瞑った。
とりあえず……面倒くさい。
学校は俺が嫌いな場所だけど、大好きな場所だ。
いつも俺の味方で敵だから注意しないといけないし、最近はよくサボって猫ちゃんと遊んでいる。
今日もいつものように猫ちゃんのところに行くと、そこには猫ちゃんの代わりに男子生徒がいた。
まぁ、俺も男子生徒だけど。
とりあえず声をかける。
ya「ねぇ、ここの猫知らない?」
ur「……さっきどっか行った。」
ya「そ、水あげたん?」
ur「……いちお……」
ya「そか……」
俺は隣に座ってぼっーとしてる男子生徒に聞いた。
ya「何年?」
ur「……三年」
ya「一緒」
久しぶりに何もせずに陰でぼっーとしたから、眠くなって目を瞑った。
隣の男子生徒は別に気にしてない様子だった。
この空気感が凄く落ち着いた。
dn「なーにしてるの?」
ur「……サボり」
ya「……きゅうけ……」
dn「そっかぁ、じゃあ俺も良い?」
ya「どぞ」
dn「ふふっ……ありがとう」
眠そうにしてるよく話してくれる人と、ぼっーとしてる人の隣に座って一緒にぼっーとする。
何故か吸い寄せられてつい声をかけてしまったけど、声をかけて良かった。
dn「お疲れ?」
ur「……ん 」
ya「そ……」
dn「二人は友達?」
ur「……ん、知らね」
ya「……初めましてだよ」
dn「そっかぁ」
初めましてでこの距離感は凄く相性が良いんだね!
俺も仲良くなりたいなぁ
授業を受けるのがかったるくて、ついサボって学校の裏に吸い寄せられるように着いた。
あんましここ使わんよなと思いつつ、奥に進むと三人のクラスメイトが、陰で座ってぼっーとしとった。
tt「サボり?」
ya「……ん」
ur「……」
dn「そう!ぼっーとするの楽しいよ?」
tt「ええやん、俺も入ってええか?」
dn「勿論!」
ya「……どぉぞ」
tt「さんきゅ」
そうやって俺たちは知り会った。
まるで運命のように……でもそれは恋には発展せず、友達として発展した。
tt「どう?テスト」
ur「ゴミ」
ya「聞くな」
dn「ダメだったよぉ」
tt「途中で寝たわ」
ur「……お前もゴミ」
tt「辛辣やなw」
ya「ドンマイ」
dn「俺は大好きだよ?」
tt「嬉しいわ……ありがとう」
俺らの関係は女子のキャーキャー騒ぐようなやつやなくて、とりあえず会話しとけみたいな……適当な会話をしてるだけの友達関係やった。
先生「はい、えー30点以下は補習なので放課後残ってくださいね!」
ur「だる」
ya「サボるわ」
先生「とにかく!よろしくお願いしますね!」
dn「は~い」
とりあえず残ったけど、俺一人だな……みんなは多分サボったんだろうな。
寂しいな
ガラガラ……
jp「あれ?他の子は?」
dn「ぇ……えと、体調不良じゃ、ない……ですか?」
jp「ふーん……まぁ!とりあえず分からなかったところ何処かな?」
dn「えっと……ここです!」
jp「なるほどなるほど……よし分かった!なるべく分かりやすく教えるから着いてきてね!」
dn「は、はい!」
一方俺たちは駄菓子屋に寄っていた。
ur「なつ……」
tt「こんなところにあるんやね!」
ya「これ食ったことある」
tt「おっそれ旨いやつやん」
ur「……サイダー買って帰るわ」
ya「俺アイス買お 」
tt「そんなら俺は~」
会計を済まして帰り道で会話をしながら駄菓子を食べる。
tt「良かったん、アイツ」
ur「……知らね」
ya「まぁ……好きにしたら良いんじゃね?」
tt「……やんな」
別れ道に来ると止まったりせずに、パッと別れる。
俺は昔から友達と遅くまで一緒に居ったから、ちょっと寂しいけどこれぐらいが、ちょうど良いんやろな。
(まぁ、しゃあないか)
あぁ~疲れた。
じゃぱぱ先生は熱心に教えてくれたけど、正直途中から面倒くさくなっちゃった。
多分こういうのが出来ない理由だよなぁとしょんぼりして、帰り道を歩いているとたっつんが待っていた。
遅かったな?お疲れと励ましてくれて、俺は嬉しくなった。
dn「他の二人は?」
tt「先に帰ったで?」
dn「そっか……」
tt「俺ら似てんな!」
dn「んぇ?」
tt「寂しいんやろ?」
正直ドキッとしてしまった。
確かに補習は俺が決めたことだけど、もう少し寄り添って欲しかった。
たっつんも同じなんだ。
tt「まぁ、隣に居るだけでええタイプとワイワイ騒いでる方が楽しいタイプと距離感考えずに居るタイプとたっっくさん……居るもんな」
dn「でもやっぱり友達とは仲良くしたいね!」
tt「……やんなぁ」
そのまま二人で話しながら帰った。
……家が同じ方向で良かったと思った。
jp「……ふぅ……これでいいかな」
補習が終わって片付けをすると、不意に思い出して担任に聞く。
jp「すみません」
先生「……はい?」
jp「うり、ゆあん……たっつんが来ていなかったんですが、体調不良ですか?」
先生「いや……多分サボりだな」
jp「サボりですか……」
先生「珍しいことでもないし、放っておけよ」
jp「……ありがとうございました」
席に戻るとみんなが心配して声をかけてきた。
なお兄、ヒロくん、もふくんは俺の学生の時からの親友で、ここで再会した時は運命だと思った。
mf「大丈夫?何かあったの?」
jo「んー、補習の生徒が半分以上来てなくて、来てた生徒が体調不良って言ってたから、一応担任の先生に聞いただけだよ。」
no「サボりですか……」
hr「まぁ、そんなもんでしょ」
jp「注意しとかないとなぁ」
先生「……なのでなるべくきちんと来るように!!!」
ur「……」
ya「はーい」
tt「分かりましたー」
先生「ったく……手間をかけさせるな」
ur「……」
ya「はーい」
ガラガラ……
朝教室前で呼び止められて振り返った瞬間、先生はひたすら注意だけをして、何故か怒って教室に戻って行った。
ya「どーする?」
ur「……寝る」
ya「んじゃ……サボるか」
tt「俺は一応出るわ」
ur「……ん」
ya「いてらー」
ここで別れてそのまま二人はいつものように、何処かに行ってしまった。
何だかなぁと思っていると、後ろからどぬが飛びついて来た。
tt「うぉっ……おはよどぬ」
dn「おはよぉ!」
二人で話しながら教室に入った。
ya「空き教室久しぶり」
ur「……マジ?」
ya「二年ぶり?」
ur「ヤバ……」
教卓の前と一番前の席で会話をする。
ur「アイス食いたい……」
ya「駄菓子屋寄って帰る?」
ur「……ん」
ya「サボんのが一番好き」
ur「……クソじゃんw」
会話を終えたのかうりはうとうとし始めた。
ya「寝る?」
ur「……オール」
ya「アホだ」
ur「……るせ」
俺も疲れたのでうりの隣に椅子を持ってきて眠る、 誰か来てもどうでも良いので、とりあえず寝る。
ガラガラ……
dn「……授業サボり?」
目を瞑ったまま、どぬの問いかけに答える。
ya「そ、悪い子だからね」
jp「へぇ?……そりゃ駄目だね?」
声が変わったのでびっくりして目を開ける。
どぬの後ろに理科兼、 生徒指導の先生がいた。
ya「あぁ~……そっスか」
jp「寝不足なの?」
ya「さぁ?疲れたんで寝てるだけ~」
jp「……そっかぁ……そっちの子は?」
ya「……起きろー」
ur「……るさっ……何」
ya「せんせ」
ur「……帰るわ」
ガタッ……ガラガラ……バタンッ
ya「そんじゃ俺も帰るんで……じゃあな、」
どぬくに声をかけるとビクッとした後、俯いて制服をぎゅっと握っていた。
ya(まぁ、いっか……)
jp「……とりあえず教室戻ろっか?」
dn「はい、……先生が後ろにいてびっくりしました。」
jp「ほんとー?気づいてるかと思ったわ」
dn「……ははっ」
ゆあんくんは多分怒ってないけど……でも騙したと思われてるかもしれない。
たっつんだって勉強してるのに俺だけサボってるみたいに見えるかも。
……二人みたいになりたいのに、仲良くなりたいのに俺には無理なのかな……
タッタッタッ……ガシッ
ya「まじっ……待ってっ……はぁ」
ur「遅かったじゃん」
ya「結構すぐ出たけど」
ur「残念……俺裏切り者」
ya「最悪……走りやがって」
ur「どぬく何て?」
ya「何も」
ur「あそ……」
玄関入口から外に出て裏庭に行くと、いつものように猫がいた。
いつもと違うのは、小さな犬が横たわっていたことぐらいだろう。
ur「……水」
それを確認するとすぐに指示がきた。
とりあえずホースから水を出して、持ってきた猫用のお皿に入れてやる。
そして犬の傍に置くと俺はなるべく離れた。
うりは何処が悪いのか確認すると俺に指示を出した。
ur「……保健室の先生」
ya「……分かった」
タッタッタッ……ガラガラ……
ya「先生!」
na「うわっ……どうしたの?授業は? 」
ya「それより裏庭に来てください!犬が……」
na「分かった!とりあえず行きましょう」
先生は急いで駆け出して、裏庭に出ると犬の様子を確認した。
結果はどこも怪我をしていないし、痩せこけてしまって匂いも酷くなっているため、栄養失調と判断された。
すぐに箱を用意してその中に犬を置き、その状態でなるべく揺らさない様に運ぶ。
na「骨が折れやすくなってるから気を付けて!」
ya「はい……」
ur「……」
保健室に入るととりあえず、机に置いて準備を開始した。
na「まず、水は与えたかな?」
ya「傍に置いたんですけど……飲まなくて」
na「そう……それじゃあそのお皿貸して?……ちょっと待っててね」
そう言うと先生は急いで出ていった。
心配になりながら待っていると、犬がこっちを見てはぁはぁとしながらニコッと笑った。
笑ってる訳じゃないことは知っているけど、安心して傍に居られた。
しばらくすると先生はお皿にお粥を入れて持ってきた。
na「調理室を貸してもらったわ」
ya「……すごい」
na「これでもう大丈夫……少しだけまだ暑いからぬるくなるまで待ってねぇ」
ur「こんなことして良いんですか?」
na「……いつでも出来る訳じゃないけど、それでもうちの校長は犬や猫が大好きだから」
ur「……」
na「先生方もこの学校に犬や猫が居ることを知っているから手助けして下さったのよ」
ya「……ご飯はどうしたの?」
na「私のお弁当のご飯だから大丈夫よ」
ur「……犬が食べても良いの?」
na「ん?」
ur「人間のご飯でしょ?」
na「うーん、人間ご飯だから食べちゃ駄目というより、犬が食べると危険なものを人間は食べられるって感じかな?」
ur「……へぇ」
na「犬や猫に何でもかんでもあげるのは駄目だけど……死にそうになってるのに放っとく方が駄目よね?」
ur「……ここが田舎で良かったですね」
na「ふふっ……そうだね……都会ならこんなこと許して貰えないしそもそも野良の犬や猫が居ることも無いんじゃないかな」
ya「野良の犬や猫は危ないの?」
ur「……狂犬病」
na「……本当によく知ってるのね!そうよ、狂犬病を持ってるかもしれないから近づいちゃ駄目だけど」
ya「……」
要はこの犬は野良ではなくてきちんと狂犬病の予防注射をしているれっきとした飼い犬らしい。
ただこの前飼い主が出ていって一人になってしまい、ご飯が貰えず栄養失調になって猫に出会ったんじゃないかと予想しているらしい。
半分は事実らしいので何とも残酷なことだなとふわふわと考える。
na「……このカラピチ高校はもうちょっと進化していかないといけないと思ってるんだけどね」
ur「……そっかな」
na「とにかく!お粥だし、ぬるくなったから食べて~」
犬に近づけてじっと待つと、ちょっと困惑しながらも元は人懐っこいのか普通に食べ始めた。
na「良かったぁ」
ya「……ぐすっ」
na「えぇ!?泣かないで~!」
ur「せんせ、うるさい」
na「ごめんごめん……w」
うりは動物が案外好きなようでずっと見守っていた。
ya「……そういえばせんせ、何て名前?」
na「えぇ!?覚えてないの~?三年生でしょ?」
ya「だって保健室の先生は紹介されないじゃん」
na「あっそっか!……私はのあ先生だよ」
ya「俺すぐ忘れるからなぁ」
ur「のあせんせ、犬」
na「えっ?」
ya「犬どうするんですか?そのまま返すんですか?」
na「うーん……」
ur「……俺預かって良い?」
na「えぇ……それは」
捨てられたペットは一度保健所に連れて行かないといけないらしい。
そして一定期間の間にもし飼い主が見つからなければ、殺処分になるらしい。
ur「……」
na「でも、一度保健所に連れて行ってその後お母さんやお父さんに相談して……飼うことを決めたら保健所から出して貰えて、ようやく貴方が飼い主になれるのよ」
ur「……分かりました」
ya「それじゃ保健所まで行かないと……でも……」
na「先生も着いて行きましょうか?」
ur「良いの?」
na「もちろん!……保護者じゃないからと言って、生徒が怖かっている保健所に子供だけで行かせる何てことは絶対にありませんからね!」
ya「せんせ、嘘つきってよく言われるでしょ?」
na「なっ……怒りますよ!!」
ya「は~いごめんなさーいw」
na「……もう、w」
そしてその後保健所に行って、犬を預けて今日はもう家に帰ることにした。
その時たくさん質問されたけど、先生が話してくれた。
ur「せんせ、ありがと」
na「うん!全然大丈夫だよ」
ur「後どれくらいで預かれんの?」
na「うーん……とりあえず里親を探すポスターとか、パソコンの掲示板なんかに貼られたりするんだよね」
ya「見つけた時に電話をすれば良いんですか?」
na「そうね!もしも里親がいなければ、貴方達が飼って育てていけば良いのよ」
ur「……もしも他の人が里親になったら?」
na「そうね、犬は大切な生き物だからね。より安全で環境が整った方を早い遅い関係なく、選ばれることもあるし、ましては子供だから相手が大人だったら可能性があるのは、大人の方かな……」
ur「……ギリッ」
ガシガシ……(頭をかく)
na「髪がボサボサになっちゃうよ?」
ur「……くそっ」
na「まだ里親が見つかった訳じゃないし、可能性の話をしただけよ」
のあ先生はそう言うとうりの頭を優しく撫でた。
ya「そういえば……何で犬とか猫を殺処分するんですか?」
na「ん?それはね……」
例えば病気や怪我をしていたら、人間でも病院に行ったりその他手当てをするでしょう? そしたら元気になって過ごせる。
でも、凄く攻撃するとか敵対意識が強かったらとっても危ない。
他の動物なら尚更、人間が安全に暮らせなくなる。
そしたら人間側も対処するために攻撃し始めて殺し始める。
すると犬や猫は危ないものという意識が強くなって手放す人が多くなる。
そしたらどんどん酷くなるのは分かるでしょ?
そんなことになったら犬や猫を飼うことすら出来なくなって、最終的には絶滅してしまうのよ。
だからこそ命を奪い合う前に原因を取り除いているの。
そして狂犬病になると中々治せないし、病気が進行すれば完全に死んでしまう。
そしたら今度は人間が絶滅してしまう。
そんなことにならない為に殺処分はあるの、でも勿論可哀想だと思う人はいる、でも無責任にもう一度預かって……もし捨てられたらどうする?
今度は人間を信用してくれないかもしれない。
そしたら本当に殺し合いが始まって……動物と触れ合えなくなる。
最近は殺処分ゼロを成功させた国も県もあるけど、それでも未だに完璧にゼロにはならないの。
人間が安全に生きる為には危険なものは、排除しないといけないのが本能でもあるの。
犬も猫もどんな動物でも天敵は殺したりして自分たちを守ったりするでしょう?
na「……その行動が人間は力があるからこそ、より残酷に見えるだけなのよ」
ya「自分達を守る為の行動なんですね」
na「うん……人間も別の動物も根本的なものは変わっていないから」
ur「……確かにな」
na「それじゃあここで別れ道ね!先生が着いて行かなくて大丈夫?」
ya「……なんで?」
na「説明しないといけないでしょ?」
ya「小中学生じゃないから大丈夫」
na「でも未成年だし、私の学校の生徒だもん」
ya「……とにかく大丈夫~」
ur「せんせ、またね」
na「はい、さようなら」
学校に戻って職員室に入る。
担任の先生に今日は保健室に来ていたので、保健室登校ということに出来ませんか?と訪ねる。
先生「……分かりました。犬は大丈夫でしたか?」
na「はい、保健所に預けてしっかりと説明しましたし、殺処分のことなど聞かれて授業では学べない部分も少しだけ理解できたと思います。」
先生「まぁ、それくらいは分かって当然ですね」
jp「ねぇ、その生徒って随分と勉強熱心だね?」
na「……普通授業のように凝り固まった考えではなくて、よりリアルな状況を見て考えることが出来たので、生徒も集中して聞いてくれましたよ。」
mf「というか何で外に居たんだろ」
na「サボったらしいですw」
mf「なるほどねw」
no「あの……犬の名前や特徴を教えていただけますか?」
hr「ぇ?なお……先生、飼われるんですか?」
no「すみませんが、その生徒には内緒でお願いします。」
na「……でも!」
no「きっと仲良くなれると思うんです」
mf「でも……何で?」
no「今度補習があって、会話が勉強だけだとつまらないでしょう?」
na「……犬を飼える環境なんですか?」
no「勿論……大事にしますよ」
na「分かりました……特徴は……」
コメント
1件
今回の作品は男子の距離感をイメージして描きました。より明白にするために次の作品には女の子を多めに入れようと思います。私の作品は皆さんの意見を反映して作りたいと思っています。是非アドバイスお願いします!