朝、朝日がカーテンを貫通して目を覚ます。なんてことないいつもの光景。でも、今日は昨日より少し肌寒いかな。
となりを見ると君がいる。まだ寝ているようで、滑らかな肌にかかった髪が色っぽさを漂わせる。
『ねえ、起きて。朝だよ』
少し控えめに言うと、君はしかめっ面して起きたね。髪はボサボサで少しはだけているパジャマは、きっと他から見ればダサくて美しいと言う人は1人もいないだろうけど、私は今日も
『綺麗だよ』
って、
『世界一美しいよ』
って、君に伝える。
そしたら君は私の頭をそっと撫でて胸に顔を埋めてきた。何かを小さな声で言うと、布団をひっくり返して朝の支度を始める。
清潔な服に身を包んだ君を羨ましく思いながら見つめると、ニコッといつもの笑顔で、また頭を撫でられ柔らかい唇でキスされた。
君が行ってきますと言うから、私はなきたい気持ちを堪え静かに台所へと背を向けた。
部屋の中が藍で満たされていくころに、ガチャっていう音と共に君の歩く音が、匂いが、姿が家に帰ってきた。オレンジ色のライトがつけられて、部屋がパッと明るくなった。
寂しかったと思いながら、君の元へ私は駆ける。ぎゅっと抱きしめられて一息。なきたかった気持ちを吐き出す、、、
「にゃ〜」
君の胸元へ今度は私が顔を埋める。暖かい人。愛しい人。
コトッといって私の前に仄かに甘いミルクとキャットフードが置かれた。
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猫じゃ🐱