テラーノベル
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──リビングのど真ん中。ネグの手が、すかーの腰元からズルリと滑り、ハート柄の下着ごと掴んでしまった瞬間。
「ッ……ッッッ!!」
すかーの喉から低い呻きが漏れた。
そのまま下着がズリッとずり下がり、完全に、モロで――
ネグが一言。
「やだぁ……変態じゃん。」
その瞬間。
すかーは完全に思考が真っ白になっていた。
呼吸すらも一瞬止まった気がした。
だが、次の瞬間、激しい怒りと羞恥が一気にこみ上げる。
「……っ……お、お前……ふ、ふざけんな……!!」
掠れた声で、息を荒くしながら必死にズボンと下着を戻そうとする。
手が震えているのは怒りだけじゃない。
屈辱と恥ずかしさ。
それでも、すかーはその場にうずくまり、声を荒げた。
「……なぁ……っ、ほんまに、どういう……どういう神経してんだよ……!」
夢魔もその状況を見て、顔をしかめながら苦い声を漏らす。
「おい、ネグ……やりすぎだろ、さすがに……」
目線は逸らしつつも、口調は低く、硬い。
すかーは必死に呼吸を整えようとしながらも、身体を震わせたまま続ける。
「……マジで……ありえねぇ……なんなんだよ……!」
拳を震わせ、床をドンと叩きつける音が響く。
「……こんな、こんなハート柄とか……誰にも見せたくねぇし……!!」
自分でも情けなくなるくらい必死だった。
だがその情けなさが余計に怒りを煽る。
「ネグ……お前だけは……絶対許さねぇ……!」
その目は真剣そのもの。冗談ではなかった。
夢魔も静かに頷きつつ、苦しそうに低く呟いた。
「……あいつ、マジで……何考えてんだ……」
すかーは肩で息をしながら、じっと立ち上がる準備をしていた。
だがネグはすでにその場から姿を消していた。
「……チッ……!」
すかーは舌打ちしながら、拳を握りしめたまま、ズボンの位置を直して深く息を吐く。
「変態じゃねぇし……マジで……ふざけんな……」
その声は、怒りと悔しさ、そしてどこか呆れも混ざっていた。
夢魔も隣で、小さくぼやいた。
「……ほんと、俺ら……なんでこんな目に……」
だが二人とも、心の底ではネグのことを完全に嫌いになれない――そんな微妙な葛藤を抱えていた。
ただ、その瞬間だけは本当に、言葉にならないくらいブチ切れていたことは間違いない。
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