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第5話 「思い込み迷子」
「って感じで、何とか……て、手を……繋げました」
京輔と初めて帰り道デートをした翌日。
講義が始まる前の講堂。
ほぼ一番乗りで席を確保した夏実は、一緒だった史花に笑顔で報告した。
「そう、よかったわね」
「うん。隣で目が覚めてからずっと、前と変わってないなーって思ってたけど……昨日でわかった。やっぱりお互いどっか気まずかったみたい。一緒にゴハン食べて、つまんないこと喋ってたらなんか……色々気が楽になったかも」
夏実は別れ際のことを思い出してみた。
「ほんっと、桜木たちのサークルの先輩面白いのな」
「うん! バスケもうまいし、見た目の割にいい人だから。今度紹介するよ」
「おー」
「篠塚も、バイト大変そうだね」
「まぁね」
「バイトの子にいじられて」
「そこ拾うのかよ」
「それが一番印象的だったからね! はー、楽しかった。ね、ねえ篠塚……***************
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