『わたしがしにたくなくなるまでの話』
【能力者名】栗毛色あるは
【能力名】 わたしのR
《タイプ:友好型》
【能力】自殺衝動をすいとる能力
【細菌の記録】
昼休み、米津高校二年A組の教室に
卒塔婆の群れのように死にたい奴らが 並ぶ。
私は奴らのどうでもいい悩み相談を
昼休み中、メロンパンをかじりながら
聞いていた。
私の名前は栗毛色あるは。
自殺衝動を吸い取る能力、
「わたしのR」をもつ可愛い可愛い
高校二年生女子だ。
私も奴らのどうッでもいい愚痴を延々聞かされてんだ。
私だって心の中でぐらい愚痴ったって
いいよな?
…….はぁ(溜め息)…….。
……..はぁぁ(クソデカ溜め息)。
……..私の能力はなーんでこんなに
くだらないんだろう……….。
私の能力「わたしのR」はダイソンもびっくりの 吸引力だ。一回相手の悩み相談を聞くだけで 相手の自殺衝動をまるごと吸い取ってしまう。
人1人がふとしたきっかけで死んでしまう
ほどの自殺衝動を、まるごと全てだ。
そのことを踏まえた上で改めて、
ここにいる卒塔婆の群れ共を見てほしい。
……..いや、地獄だろ?地獄じゃん。
なんで? ……ホントになんで?
何か私悪いことした?
……..いや、別にカウンセラーまがいのことさせられるのはいいんだよ?
だってこいつらガチで死にたがってるもん。
実際に自殺衝動吸ってる私が言うから 間違いないね。
なんか、ほっといたら死んじゃうたまごっち
みたいでほっとけねーんだよなー。
………あーまたしにたくなってきた。
なんだよ推しにときめかなくなったから
死にたいって?知るかよ。
あーーあったまいてーーーーなんかグラグラ
する。
今日はおよそ12人分の自殺衝動吸ってっ からなー。
おかげであたしのおなかは 昼食のメロンパンと自殺衝動でパンパンである。
パンパンのパンであった。
…….はぁーなんかもう学校に隕石とかやってこねぇかなー。
なーんであたしは楽に死ねねーのかなー。
そんなことを思ってるときだった。
「シリアスシリアス!!シリアスシリアス!!!!
……….シリアーーーーッス!!!!!!!!!」
後から聞いたその人は隣のクラスの
男子で、
「シリアスセンサー!!オン!!!!!!!」
「《ブリキノダンス》」
みんなからシリアスブレイカーと言われてる
空気の読めないお調子者で、
(シリアスブレイカー身体を合金に変えながらヘタクソな ロボットダンスを踊る)。
その時の教室の空気はしん…….としてて
でもだからかな?
だからか私は腹を抱えて笑って しまった。
そしてその人は私の顔を見て
「……うん!!!このクラスのシリアス展開は
破壊した!!!私は次のシリアス展開を破壊してくる!!!ンさらばだッ……!!!」
そうしてあの人はわたしの腹にたまった およそ12人分の自殺衝動を隕石みたいに 吹き飛ばしてくれた。
この物語はそんなしにたがりの私と、
私の ヒーローシリアスブレイカーさまの
しにたくなるほどの初恋の話である。
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