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まだ外は暗く、朝5時過ぎ。
アラームの音で石川が目を覚ますと、隣のベッドにはぴったりとくっついたままの藍。
「……藍、起きるぞ。今日早朝練だろ」
「ん〜……あと、ちょっとだけ……」
布団の中から顔だけ出して、藍はか細い声で甘える。
目元をくしゃっとさせながら、寝ぼけたまま祐希に腕を伸ばしてくる。
「もう時間だって」
「……おはようのキス、くれないと……起きれない……」
「……お前、どこまで甘えてくる気だよ」
「祐希さん限定だもん……こういうの」
ふにゃっと笑うその顔が可愛すぎて、石川は小さく息をついた。
「はいはい、……おはよう」
額にちゅっとキスを落とすと、藍は満足そうに目を開けた。
「ん……起きれた」
「ほんと、手がかかるやつ」
「でも、祐希さん……嬉しそうだったよ?」
「……うるさい。早く着替えろ」
照れ隠しの背中に、藍はくすくすと笑いながらついていく。