「私、好きな人がいるんだよね」
今日も彼女が声をかけてきてくれた。
だが今日はあまり喜べない一言だった。
「え、好きな人?」
僕は驚きながら、かつ怒りを抱きながら聞いた。
「うん」
今までそんな傾向はなかったのに、今まで日菜に好意を抱いている男子には僕から手紙を送って諦めさせている。
もちろん「心臓抜き出し殺人事件の犯人から」と書いて、それでも信じない輩は何人もいたから僕はそいつらを殺した。
僕はそこまでして日菜を自分の物にするために頑張っているのに…
日菜に好きな人が出来た…?
ふざけるな。
そいつは必ず殺してやる。
情報収集の為に日菜に特徴を聞くことにした。
「誰なの?特徴は?」
すると日菜は
「恥ずかしくて言えないよ」
と答えた。
僕はそれでも諦めずに詰め寄った。
「お願い、教えてよ」
すると日菜は堪忍したのかある条件と共に特徴を1つ答えた。
「んー、分かったよ」
「ただし、1日に1つだけ答えてあげる。今日の分は、同級生って事かな」
1日に1つ、それでも1週間は経てばかなりの情報になるだろう。
僕はそれを承諾し、それからそいつのヒントを収集していった。
2日目のヒントは「同クラス」
3日目のヒントは「黒髪」
4日目のヒントは「大人しい」
5日目のヒントは「優しい」
6日目のヒントは「料理が上手」
そして7日目。
僕は日菜に聞いた。
「ねぇ、今日の分のヒントは?」
彼女は少し照れながら
「今日のヒント言ったら分かるかもね」
「最近ずっと一緒に居て、昨日、一緒に昼休み屋上でご飯を食べた人だよ」
そこで僕は気づいた。
最近ずっと一緒に居て、昨日一緒に昼休み屋上でご飯を食べた人…
「僕だ…」
不意に言葉が口から漏れてしまった。
今までのヒント。
全て僕に当てはまっている。
優しいはどうなのかどうかは分からないが、
日菜。
日菜は…僕のことが好き?
僕も日菜の事が好きだ。
最近は日菜が周りの女子達に問い詰められるほど一緒に居るし、デートも1回だけだけどした
そんなことを考えていたら、日菜が口を開いた。
「今日の放課後。いつものとこで待ってるから。」
僕は呆気に取られながら、走り去っていく日菜の後ろ姿を見送っていた。
放課後。
僕らの「いつものとこ」と言ったら屋上しかない。
最近はそこでいつもお昼を食べたり、遊んだりしている。
僕が屋上に着くとまだ日菜は来ていなかった。
数分して、日菜が屋上に来た。
「あ、もう来てたんだ。ごめんね。遅くなっちゃった。」
いつもの元気な日菜はどこにもなく、今日はお淑やかで、綺麗だった。
そして僕らは本題に入った。
「ねぇ、今日のあれ、もしかして…僕のこと…?」
日菜は答えた。
「そうだよ。」
僕は聞いた。
「なんで、?いつから?」
日菜は顔を赤くしながら答えた。
「会って1ヶ月経つか経たないかくらいの頃かな?」
「皆、私が大手企業の娘だからって話しかけてきてたんだけど、君だけは違った。」
「君だけは私を1人の女の子として扱ってくれた」
それから日菜は僕に向き合って言った。
「私と付き合ってください。」
もちろん僕は即答だった。
「よろしくお願いします」
僕達は晴れて恋人となった。
1段階上に上がった。
その日僕は高揚感に包まれながら人を殺した。
いつも日菜の悪口を言っているやつだ。
害悪とでも例えようか。
害悪は僕の正体に気づくと。
「あれ、なんで貴方がここに?」
と頬を赤らめながら聞いてきた。
どうやら色仕掛けをするつもりらしい。
だが、今の僕には何も聞かない。
日菜という可愛い彼女が出来たから。
僕は迷いなく害悪の首を切り裂き、心臓を食べた。
赤本 愛奈。
今日の心臓は甘かった。
次の日、日菜が休みだった。
これは僕が日菜の心臓を食べるまでの物語
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