今夜は、ぜんぶ俺にやらせて。
「…は、ぅ」
ひくん、とせらおの肩が小さく跳ねた。雪の日の雲よりよほど白い肌の上に、浮かび上がった薄紅がきれいだ。カーテンの隙間から漏れる木漏れ日のような月光の下、美しい指先でシーツを泡立たせ、目を瞑ったせらおがかすかに唇を噛む。
「…せらお、」
「…ん」
彼をどろどろに溶かしたい。なんて俺が思ったのは、なにも今夜が初めてではなかった。俺とせらおが身体を重ねるようになって、はや数ヶ月。ことが終わると必ず余裕ぶって微笑み「雲雀、気持ちよかった?」なんて宣う彼を、優しく優しく愛で煮てしまいたいと思うようになってからは、もう1ヶ月だ。ようやく今夜それが叶いそうだと、俺は逸る指先をなんとか抑え込む。「いいよ、雲雀の好きにされてあげる。」押し倒されたまま艶やかに笑ってみせた彼の笑顔を思い出して、脳みその裏側の温度がカッと上がった。
「………ゆび、いれていい?」
「…ふふ、好きにするんじゃなかったの」
全身にキスを落とされて目元を潤ませているが、けれどやっぱり余裕そう。もっともっと、気持ちよくなっているせらおが見たい。今だって気持ちよくなってくれてるのは知ってるけどそれよりも、もっと。その余裕を切り崩してやりたい
ローションを手のひらの上に出して、人肌の温度に温める。くるくると閉じたすぼまりの周りを切りすぎた爪先で辿り、そのまま指を1本、中へ押し込んだ。ぴくりとせらおの内腿が震える。準備をしてくれていたからか、それとも生まれ持った体温か、あるいは俺に触れられているからか…なんて、流石に調子に乗りすぎだろうか。せらおの中はドキリとするくらい温かくて俺の胸はきゅうっと音を立てた
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