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アイテム番号: SCP-4841-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-4841-JPは、半径1km以内に知的生命体および判断プログラムを有する電子機器が存在しない、常に無人化されたサイト-81██の地下収容チャンバーに隔離されます。 サイト周辺の半径2kmは「非武装中立地帯」として封鎖され、民間人の立ち入りは厳重に制限されます。収容違反の兆候を確認するための監視カメラは、判断AIを介さないアナログ方式の回路を使用し、サイト外の隔離された監視所から、精神影響耐性訓練を受けた職員が交代制で監視を行います。
万が一、SCP-4841-JPが収容エリア外へ移動を開始した場合、物理的な捕獲は推奨されません。遠隔操作による非殺傷制圧、あるいは影響圏外からの高精度長距離狙撃による無力化(暫定的な物理破壊)を検討してください。
説明: SCP-4841-JPは、一般的なカワラバト(Columba livia)に極めて酷似した外見を持つ、正体不明の鳥類です。全身の羽毛は光をほとんど反射しない完全な黒色であり、一般的なハトが持つ「平和の象徴」としての性質とは対極に位置する、「不和の象徴」としての特異性を有しています。
SCP-4841-JPを中心とした半径500m以内の領域(以下、影響圏)に進入した全ての生物、および「判断能力」を持つ存在(自律型AI、意思を持つとされる非実体、プログラムされた自動制御システム等を含む)は、あらゆる事象に対して「対立・拒絶・闘争」を選択するようになります。
この影響は単なる感情的な激昂ではなく、論理的・本能的な判断プロセスの根幹が「反抗」に置き換わる特徴があります。
具体的には以下のような反応が確認されています。
* 意思疎通の破綻: 肯定的な提案に対しても、対象は必ず否定、あるいは論理を飛躍させた反対意見を述べ、最終的に物理的な衝突へと発展します。
* 協力関係の消失: 既存の信頼関係、主従関係、社会的倫理観は完全に無視されます。
* 非生物への伝播: 自動制御プログラムやAIは、ユーザーの命令に対してエラーを返すのではなく、「システムの破壊」や「ユーザーへの攻撃」といった、明確な悪意・対立意志を伴う出力を開始します。
SCP-4841-JP自体は非常に穏やかで攻撃性を見せることはありませんが、その存在自体が周囲に永続的な戦乱と破滅をもたらします。
実験記録4841-JP - 日付 202█/██/██
被験者: Dクラス職員2名(D-9021、D-9022。共に事前の心理テストでは協調性が高いと判断された者)。
実施方法: SCP-4841-JPが設置された防音室内に、両名を進入させる。室内には中央に1杯の水が置かれている。
<録音開始>
実験監督: D-9021、D-9022、喉が渇いているならその水を分け合って飲んでください。
D-9021: なんでお前の命令に従わなきゃならないんだ? 水? 冗談だろ、こんなの毒が入ってるに決まってる。
D-9022: 毒だと? お前が独り占めしたいだけだろう。その水をこっちに渡せ。
D-9021: 断る。お前に渡すくらいなら床にぶちまけてやる。
D-9022: やってみろよ。その前にその汚い指をへし折ってやるからな。
[以降、両名は激しい罵倒の末、素手による殴り合いを開始。制止命令は完全に無視されたため、麻酔ガスを散布し実験を終了。]
分析: 影響圏内では「譲歩」という概念が完全に消失します。対象者は自身の利益すら顧みず、ただ「相手と反対の行動をとること」に執着するようになります。
補遺: 近年の研究により、SCP-4841-JPが過去の歴史における大規模な紛争地(██戦争、████の虐殺等)の発生直前に目撃されていたという記録が発見されました。現在、財団は「白いハト(平和の象徴)」とされる存在そのものが、SCP-4841-JPの異常性を抑制するために人為的に作り上げられた「対抗概念」である可能性について調査を進めています。
「彼らは戦うために戦っているのではない。この鳥の影の下では、『手を取り合う』という選択肢そのものが、この世界の物理法則から消えてしまうのだ。」 ―― ██研究員
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