翡翠said
机に足を置きながら座り、チュッパチャプスを舐めていると、教室の前から明らかに高校生じゃないおっさんの声がした。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」
(なんか!!!いるぅぅ!!!)
……髭生えてて、猫背で、髪がワカメみてぇな、変な男。
ソイツは、あいざ、あいざわ……なんかそんな感じの名前で私たちの担任になるらしい。
くっそだりィ。
相「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ」
そう言ってその男が出したのは体操服だった。
他のヤツらが何をするんだ、と不安そうな顔をする中、私はしかめっ面で黙っていた。
なんかすっげぇ嫌な予感する。
……あー、私のカン、当たんだよな。
私は一人、誰もいなくなった教室で壁とにらめっこしていた。
「「個性把握テストォ?!」」
嫌々行ったグラウンドで、担任は個性を使った体力テストをやるとか言い出した。
私のカンが早速当たった。最悪だ。
ふざけんな、なんでわざわざこんな大勢の前で個性使わなきゃなんねェんだ!私の個性バレたらどうすんだよ!試験の時も、バレねぇように隠れてやったってのに…….
私が今にも担任に飛び掛かりそうになっていると、誰かが面白そうと呟いた。
どこが面白そうなんだよボケ、とソイツを睨みつけていると、担任が少し怒ったような声で言った。
相「よし。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう」
「「はあああ!?」」
『……あぁ?』
なんだソレ。
いい加減キレんぞワカメみたいな髪しやがってクソ教師が。
私はその意味わかんねェ話にブチ切れそうになったが、それを抑えて心に決めた。
クソ、こうなったらしょうがねェ。楽しんでやる。
個性なんて使わねェで、私自身の力で全部やって。
で、個性使ってもビリになったヤツを嘲笑ってやる。
「ドンマイ」ってな!
*翡翠ちゃんは、仲の良い人以外は口が悪いです。そして、一人称も口が悪いです。ちなみに、飯田くんは、小さい頃からの幼なじみです。