第53話 ひとときの自由
魔物による汚染地域の復元作業が終わってから、数日。
一度はすれ違ったものの、魔物襲撃事件の元凶だったエスペクラシア伯爵の狙いがわかったときに、再び協力することができた。
伯爵の本当の狙いを暴くことで、伯爵の隠していた悪事を白日の下に晒すことにも成功している。
何もかも、丸く収まったはずだった。
「……」
「……」
再び、ジェイドは自分の仕事をこなし、理世は同じ部屋で過ごす日々が戻った。
元の日々に戻ったはずなのに、理世は妙な居心地の悪さを感じていた。
今日はアルディリアンも用事があるようで、席を外している。
理世のいた世界の話もかなり出尽くしたので、そろそろ記録に残す必要がなくなってきたのかもしれない。
アルがいないのもあって、静かな部屋の空気がさらに重苦しく感じてしまう。
「あの……ジェイド」
「何?」
思わず声をかけた理世に、書*********
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