第54話 深まる亀裂
王宮騎士団の訓練を、一人で見学していた理世。
新人の訓練を主にしているのか、まだ武器に不慣れな騎士団員の手から、剣がすっぽ抜けてしまう。
その先には、別の騎士団員の横顔があり――
(――ダメ! あれは当たる!)
理世は咄嗟に手を伸ばし――騎士団員の壁になるような位置に〈扉〉を出現させた。
「!?」
剣先が向かっていた騎士団員の身体に、〈扉〉がぶつかるが、開いた〈扉〉に剣は吸い込まれ――誰もいない地面に、カランと乾いた音を立てて落下した。
(あ、危なかった……!)
理世がホッとする中、掛け声で騒がしかった訓練場が、一瞬しんと静まり返る。
誰かが、呟いた。
「……〈時空魔法〉だ」
と。
(――ま、まずい!)
静まり返った声に良く響いた呟きが、理世の思考を現実に引き戻した。
「ということは、近くにジェイド殿下が?」
「!」
そんな言葉を************************
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