ヒトリシズカに【小説版】
それから月日は流れて僕は6歳となった。
誕生日が来ても祝われないけど。
ドイツ語は半年には軽めの会話ならできるようになっていて、2年もすればスラスラと会話ができるようになった。
そんな僕は今空腹に悩まされていた。
胃の中が空っぽなのが分かる。
『お腹空いた‥最後にいつ食べたっけ‥‥』
もうそろそろ死んじゃうよ。そう思いながら痩せていて、痣だらけの自分の体を見て、少し涙が出てしまう。
「おい」
威圧感があるお父さんの声。
僕はお父さんの方を向いた。
お父さんは何かを持っている。それは‥僕の本だった。
「俺‥勝手なことはすんなって言ったよなぁ?」
お父さんはそう言って僕に近付いた。
『ごめんなさい‥ごめんなさい、!』
「謝ればいいって思ってんだろ?」
お父さんは胸ぐらを掴んできて、玄関の方に僕を投げた。
全身に広がる痺れと痛さ。
「こっから出てけ。」
僕は涙を流して
『ごめんなさい‥許して、、寒くて死んじゃうから‥お願い‥、』
お父さんに縋るように言った。
お父さんは僕をゴミでも見るかのような目で
「じゃあそれだけの人生だったって事だろ」
切り捨てるかのようにそう僕に言った。
『やだ‥やだ‥』
「じゃあこれでも持っていけよ!」
そう言うとお父さんは僕の本で頭を殴ってきた。
僕は頭から血を流して地面に倒れる。
お父さんは何度も僕の本で殴る。
僕はあの本が使い物にならなくなってしまうことに泣いた。
意識がなくなっていたのか、目が覚めて気が付くと僕は外にいた。
『僕‥追い出されたんだ、、』
お腹が空いた‥そう思いながらフラつく重い足を無理やり動かす。
『痛いよ‥誰か‥‥』
街は静かだった。
誰もいなくて、まるで時空が歪んで僕だけが一人残されてる気分だ。
橋の下で僕は倒れた。体力の限界が来た
死を直感して僕はこう思った。
絶対に復讐してやる。
その為なら人生だって捧げてやる。
でももしお願いを叶えてくれるなら
それは復讐じゃなくて誰かに愛されたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
意識を失ったと思ったら目の前に居たのは痩せ細った僕だった。
今の僕を見るとまるで大人みたいな体付きがしている。
痩せ細った僕の脈を調べるとまだ生きていてこれは幽体離脱みたいなものだと思った。
お腹空いた。人も食べれる気がする。
少し食べるのを悩んだが俺は目の前にいる人間に齧り付いた。
《ごめん。》心の中で呟いた。
気付くともう食べ終わっていた。
凄く不味くて‥しょっぱかった。
そんなときに後ろから声が聞こえた。
「クソ初めまして。」
後ろを見ると、中性的な男性がそこに立っていた。よく見るとその男性は少し悲しげな顔をしていた気がする。
「君の名前はなんていうの?」
『まず自分から名乗れよ‥』
「あぁそっかそれもそうだなぁ♪」
「僕はカルミア!よろしくね♪」
「死神No.212。君の名前は?」
『死神‥?』
カルミアと名乗った奴はハッとした顔をして
「説明し忘れた、!」
そう言った。
少し考えた顔をした後、
「まぁそれは後で、!」
そう言った。
忙しいやつだな‥とそう思いながら。
「君の新しい名前!」
『‥鬼灯。』
「鬼灯くんね、よし早速僕と仕事行くよ鬼灯くん!」
急な展開すぎて俺は困惑した。
『よく分かんないからちゃんと説明しろよ‥』
カルミアにそう言い、俺達は天界と呼ばれる所に行った。
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