ザワザワ…
蒼真 「拓真、これ買った方がいいかな」
拓真 「どれ?」
(薔薇の花束を見せた)
拓真 「いいんじゃね?」
蒼真 「んじゃあ、これにするか」
薔薇の花束を持ち、レジへ向かう
蒼真の背中を眺める俺。
そんな時、後ろからとんとんと肩を触ってくる人がいた
俺は誰かと後ろを向くと
そこには…
俺の元カノが立っていた
拓真 「彩音!?」
彩音 「あっ!!やっぱり拓真だった!!」
彩音 「久しぶり!!」
俺の腕に手を通す彩音の腕を
はらう俺
レジから帰ってきた蒼真は
呆然としていた。
蒼真 「その子、拓真の元カノ?」
彩音 「あっ!!蒼真じゃん!!」
拓真 「さっき…いきなり肩触られて…」
彩音 「腕通そうとしたらさ!!振り払ったんだよ!?」
蒼真 「当たり前だろ…」
蒼真 「こんな人集りが多いとこで…」
彩音 「ひっど~!!もういい!!」
彩音 「私帰るもん!!」
彩音は相変わらず、考えなしだった。
蒼真をこんな事に巻き込んで気を悪くした俺は
酷く反省した。
なのに、蒼真は俺にこう言った
蒼真 「元カノに強く腕通されただろ?大丈夫か?」
俺は驚いた。
気を悪くしたと思ったのに
俺の事を心配していた。
拓真 (蒼真が心配性なのは知ってるけど…気悪くなってないのか…?)
蒼真は心配そうに俺を見つめる。
その瞳を見た俺は
何故か顔が赤くなった。
拓真 「だ、大丈夫だから…そんな見つめんな…」
蒼真 「拓真…?顔真っ赤だぞ?」
蒼真 「熱でもあるんじゃないか?」
拓真 「熱なんかあったら買い物付き合わねぇよ!!」
蒼真 「とりあえず、買いたいものはほとんど買ったから」
蒼真 「今日はもう帰っていい」
拓真 「え…?」
酷いこと言ったのかと俺は心の中で焦っていた
俺の事を見つめた後、蒼真は後ろを向いて
静かに歩いていった。
拓真 「そ、蒼真!!」
蒼真 「ん?」
焦って、呼び止めてしまった俺。
拓真 「あぁ~ごめん何でもない…」
蒼真 「なんだよぉ~」
なんだよぉ~と笑いながら、蒼真はこう言った。
蒼真 「また明日な」
その瞬間、中学生時代の頃を思い出した。
中学生時代
拓真 「蒼真!!」
蒼真 「ん?」
拓真 「あぁ~…ごめん何でもない!!」
蒼真 「なんだよぉ~」
俺は、その時の笑顔を思い出し
涙をポロポロと流した。
やっぱり、俺はまだ、蒼真が好きだった
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