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天樹
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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
第2章 『賭けの場で起きた密会』
〜マフィアのボスを捕まえろ〜
第5話 確率の欠如
グレア・ビニック 賭け金10万ゼニーからスタート。
『あんたは?賭け金いくらにする?』
『……。』
トランクからお金を出す。
『20万ゼニー出すわ。』
『……!』
(主様、いきなりそんな大金を…っ。)
『お姉ちゃん……っ。』
『大きく出たな。じゃあ、行くぞ。』
ディーラーからカードが配られる。
配られた2枚のうち、1枚は相手に見せるルールだ。そして、裏向きに置いてあるカードはショウダウン(手札開示)の時に見せる。それが21を超えてるか超えてないかはそこで判断出来る。私達はディーラーの合計値を超えればいい。21を越えずに。
(このマフィア達はイカサマをして金を巻き上げる組織だ。油断は出来ない。そして、このディーラーもそっちで用意されている。警戒しておかないと。)
私 見せ手札 8
グレア 見せ手札 10
『カードの追加はどうしますか?』
『ヒット。』
『!?』
(見せ手札の数が大きいのにどうして…っ?)
ヒットはカードを追加すること。
『あんたはどうする?』
『……。スタンド。』
『慎重に出たな?額を大きくしたからビビったか?』
『っ……。』
『では、ショウダウンです。』
お互いにカードを開く。
『俺は10とA(エース)と10。合計値21。』
A(エース)の場合1か11かは選ぶことができる。
『8と12。合計値20よ。』
『私は7と9。合計値16です。』
『21の俺の勝ちだ。お前の賭け金20万ゼニーは頂く。そして、お前に向かってピストルを撃つ。俺は弾を3弾込める。』
『っ…!』
『このピストルは全部で6、弾を込めれる。つまり、3分の2の確率で弾は出る。あんたと俺の合計値の差は1。つまり撃つのは1回。3発中1回の確率で弾は出る。』
『…御託はいいから早く撃ちなさい。』
私は目をぱっちりと見開く。
『お姉ちゃん…っ!!』
『これで弾が出ても出なくても、貴方の前で死ねるならそれで本望よ。貴方の知らない所で、私は死にたくないのよ。』
俺は引き金を引いた。
カチッ。
『空砲か…。強運だな。』
『まだまだ金はあるわ。お互いのお金尽きるまで…お互いの金が尽きるまでしましょう?』
ゾクッ。
『そうこなくっちゃな…。』
『にゃんにゃん…。(主様…。)』
そして、命とお金を削る賭けは続く。
『11と12。合計23だ。 』
『13と8…合計21よ。』
『7と6。合計13です。グレア様バストにより
麻里衣様の勝ちです。』
『ピストルを撃つのは初めてか?』
私は黙って弾を込める。
『……。賭け金10万ゼニーは頂くわ。貴方と私の差は2。撃つのは2回よね。私は弾を2発込めたわ。2発とも空砲ならいいわね。私としては出てくれた方が嬉しいけど。』
クスッと微笑む。
私は引き金を続けて引く。
カチッカチッ。
『……空砲。残念だわ。』
(今の所イカサマの予兆も雰囲気もない…
でもどこかに必ず隠してるはず。)
(主様、どうして仮面を外して心の中を読まないのです。それを使えば貴方は必勝。それなのに、何故――。)
(イカサマしてるかしてないか疑ってるような顔だな。ふっ。してるに決まってるだろ。俺は人の命を弄ぶのが大好きなんだ。余裕持った奴が死にたくないって懇願するのを見るのが大好きなんだ。ディーラーは俺が買収した奴だ。
そして俺が合図を送れば俺の求めていたカードが来る。そして、賭け金が少ない時は麻里衣に勝たせる。そして賭け金が多い時は俺が勝つように指示を送る。たんじゅんなイカサマだ。これを見抜けないようではお前の負けは確実だ。さぁ、姉妹諸共…死ね!!)
賭け金が上がるにつれ…お金は減ったり増えたり…。時間だけが過ぎてゆく――。
『……。』
『そんな…お姉ちゃん…。』
『金は尽きた。お前の負けだな。どうする?このままフォールドすれば…命だけは助けてやるよ。』
『…続けるわ。』
『…は?』
『私のお金はまだ尽きてない…っ。』
『は?お前、何言ってんだ?お前のお金はもう…っ。』
『お金ならあるわ。ここに。』
私は自分の胸に拳を当てる。
ドンッ!!
『私のこの命の値段は100億ゼニーに値する。私は自分の命を賭ける。』
『お姉ちゃん……っダメ!!』
『私を殺す代わりに百合菜と執事の命は奪わないと約束しなさい。』
『……あは、あはははっ!!滑稽だな。
いいぜ、やってやるよ。その勝負。俺は残りのお金全て賭けてやる!!』
カチャ。
私は仮面を外す。
『っ…!』
その瞳を見た途端身体がゾクッと震えた。
(なんだ、この、震えは…この瞳を見た途端
心臓が凍ったような…。)
『……クスッ。どうしたのかしら?ただ邪魔なものを外しただけよ。さぁ、ディーラーさん。カードを配ってくれる?』
『っ…。』
(どこから出て来るんだ。その余裕は。
さっきまで追い詰められていたのに、どうして、どうして――っ!!!)
『ね、ねぇ。ボスがギャンブルで負けることなんて、あるの?』
『そんな訳ない、ボスは負け無しだ。あんな女に負けるはずが…っ。』
『か、カードの追加はどうしますか…?』
『俺は、スタンドだ…。』
『ヒット。』
『!?』
(こいつ、自分の手札の数字が分かってないのか!?13だぞ!?バストした瞬間死ぬって言うのにどうしてそれができる!!)
『で、では…ショ、ショウダウン…! 』
『っ……!合計値…27…バーストだ…っ。』
『合計値…22…私もバーストです。』
『……私は。合計値21。私の勝ち。ですね。』
ガタッ!!俺は席を立つ。
『な…っ!!ありえない!!何故…っ!
手札は俺の指示通りに行き渡るはずだ!!それなのになんでバーストしない!?』
『イカサマをしてることは事前情報から分かっていたことよ。貴方は分かりやす過ぎた。賭け金が増えた時にディーラーに合図を送っていた。だから、試させて貰ったわ。イカサマを私は逆用しただけ。貴方は――』
私はグレアの頬を撫でる。
『私の手のひらで……脅されていたの。』
『く…っ。』
『さて……。賭け金は全て私のモノ…そして、弾を込める…私は弾を6発込めるわ。そして、貴方と私の数字の差は6発。貴方を含め、部下は全部で6人……。確実に死ぬわね。』
コツコツコツ……。
『く、来るな…っ!!』
俺は後ずさりする。
『クスッ。どう?今まで馬鹿にしてた私から落貶されるのは。』
『ぼ、ボス…っ。』
『でもどうしようかしら。私が1番恨みを持ってるのは貴方だけだし…貴方に6発全て撃ち込もうかしら。』
私はグレアの頭にピストルを当てる。
『ひ…っ!!』
『さようなら。』
『やめ、やめてくれぇぇ!!』
ドンッ……!!
次回
最終話 弄ぶ命の賭け引き。