「内緒にしていたこと」
言った後、 赤桐(あかぎり)くんの顔がゆがんだ。
私の言葉を受け止めてくれているのは感じる。
赤桐くんは時間をかけて、私の言ったこと――― 晴(はる)さんを本気で好きということ、大切だから付き合えない、ということを考えているようだった。
「……筒井(つつい)を取られるくらいなら、今ほかに好きなやつがいてもいいよ」
断られるくらいならそれでいい。
付き合っている間に、自分を見てもらうように頑張るから、という思いが、彼の表情と声から伝わってくる。
(赤桐くん……)
胸が苦しくてなにも口にできずにいると、私を見る目がすこし和らいだ。
「だけど……。もしこのまま筒井が俺に流されてくれたとしたら、筒井は……苦しいよな」
まるで自分自身に言い聞かせるように、赤桐くんが呟いた。
苦しいのは彼のはずなのに……私のことも考えてくれているんだと思うと、目に*********
****************
*****
**********
*****
*************************
******
*********
コメント
1件