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本宮君の答えを聞くのが怖かった。
『ああ、2人きりだ。だけど…誓って言う。恭香に手は出してない。キスも…してない』
本当に?
少しホッとしたけど、それでも一緒に住んでる事実はまだ受け入れられずにいる。
恭香ちゃんが悪いわけじゃない。
僕は知らなかったとはいえ、恭香ちゃんの気持ちに答えず、菜々子に告白してしまったんだ…
せっかく僕を思ってくれてたのに、僕がよそ見をしてしまったばかりに…
後悔しても始まらない。
僕の一番大切な人には、今は本宮君がいるんだ…
最低だ、僕は。
『恭香は…今、一弥君と俺のどちらかを選ぼうとしてる。いや、選ばないといけないと悩んでいる…それが、見ていていたたまれないんだ。だから、今回3人での旅行を考えた。恭香がどちらかを選ぶきっかけに…少しでもなればと』
でも…
一緒に暮らしてる本宮君の方が有利じゃないか。
手を出してないって…
信じていいのか?
僕が、もし恭香ちゃんと同じ部屋にいたら…
我慢出来るかわからない…
『とにかく、恭香ちゃんが、僕か本宮君のどちらかを選んでくれるのを待つしかないよね。だけど…やっぱりズルくない?本宮君だけが恭香ちゃんと一緒に住むなんて』
思わず本音が出た。
『…ああ、確かに…フェアじゃないな』
そんなに物わかりがいいのか?
ヤバい、本宮君は本当にいいやつ…なのかも知れない。
カッコよくて、いいやつで、仕事が出来て、お金持ちで…
僕は本宮君には勝てないのか?
『恭香と一緒に居たい気持ちと、将来をいろいろ考えたくて、それで恭香の部屋に住み始めた。でも、恭香がどちらかに決めれるまで…俺、家に戻る』
『…あ、ああ、わかった。そうして欲しい。だけど、恭香ちゃん…どちらかを選べるかな?』
『…確かにな。2人ともフラれることも有り得るな。それでも俺は恭香を諦めたくない』
『もちろん、僕もだよ。絶対諦めたくない』
2人とも恭香ちゃんを真剣に想ってる。
それが、今日、ハッキリとわかった。