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💙side
💙「これ、どういう状況…?」
サウナでひとっ風呂浴びてから阿部の家に着いたら、ダイニングテーブルに突っ伏した状態で佐久間が泣いていた。
阿部が佐久間の隣りに座って、よしよし、と肩を撫でている。
💚「あ。お帰り」
💙「どうしたどうした。佐久間、なんで泣いてんの?」
俺はサウナ専用の紙袋を床に置いて、佐久間の様子を窺った。佐久間は答えない。うーとか、あーとか首を振りながら唸っているだけだ。
💚「自分で自分がどうしたらいいかわかんなくなっちゃったんだって」
💙「ふーん?涼太は?」
💚「仕事で遅くなるって」
🩷「最近いっつもそう」
💙「お。しゃべった」
佐久間は泣き腫らした顔を上げた。明日、生放送出るとか言ってたのに大丈夫かよ。
🩷「どっか素っ気ないんだ、あいつ」
佐久間は時々鼻を啜りながら、言う。
🩷「そりゃさ、俺だってゆり組に敵わないのはわかってるし、阿部ちゃんと涼太のラジオが安定していいこともわかってる」
それでもなんだか嫌なのだと言う。
佐久間が言うには、拗ねて色々言っても、涼太の反応は鈍いようだ。
その涼太のどうもピンと来てない感じがもやもやするのだと。
💙「自分たちでは全然思わないんだけどな、それ」
🩷「ゆり組?」
💙「うーん。だって、別に全部たまたまだし」
🩷「そのたまたまが悔しいんじゃんか!」
佐久間がテーブルを叩いた。
💙「そう言われても困るわ」
みんな勝手にストーリーを感じてるんだなあ、俺たちに。
このことについては俺は何度も考えて来た。
俺と涼太は確かに古い幼なじみだけど、だからと言って運命だとか尊いとか言われても俺たち本人にはそこまでピンと来てない。
確かに珍しい関係性だから、初めの頃は俺たち自身も売れたくて語ってた部分はあった。
でも、だからと言ってプライベートでも仲良くするように強制されるのは窮屈だ。
俺たちはあくまでも自然体でいたい。
阿部が佐久間に静かに同意した。
💚「佐久間の気持ちはちょっと解る。俺も感じてるよ、2人の仲の良さ」
🩷「やっぱり阿部ちゃんは神だなあ」
佐久間は味方を得て、嬉しそうにした。
俺はため息を吐いた。
💙「ふーん。お互い無いものねだりなんだな」