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15cmの身長差

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15cmの身長差

6 - 第6話

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2025年06月03日

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撮影帰り、楽屋で着替える初兎を、いふはじっと見つめていた。

「……なにさ。さっきから」


「その服、いつもより肌見えてね?」


「衣装さんが決めたんだよ。知らないよ」


袖の落ちたオーバーシャツ、ちらっと見える鎖骨。

ファン向けの撮影だってことはわかってる。それでも――


「正直、あんま見られたくねーんだけど」


「え?」


「他のやつらに、そういうお前、見られんの嫌」


言った本人もわかってる。理不尽なのは。でも止まらなかった。


「さっき、カメラマンに褒められてただろ。『今日の初兎くん色っぽいね』って」


「別に普通の会話じゃん……どうせお世辞だよ」


「そんなの分かんないだろ……俺だけが知ってりゃいい。そんな顔も、声も、表情も」


いふは歩み寄ると、ぐいっと初兎の腰を引き寄せた。

いつもより強めの抱き寄せに、初兎の体が少し跳ねる。


「やめて、誰か来る……!」


「来ねーよ。鍵閉めた」


「まろちゃ、なに……」


耳元に唇を寄せて、低く囁く。


「俺のものなんだから、俺以外にそんな顔見せんな」


「……まろちゃん、嫉妬しすぎ」


「うん。してる。めちゃくちゃ、してる」


少しの沈黙。

それから――初兎は、いふのシャツをくしゃっと掴んだ。


「……じゃあ、あとで独り占めさせてあげるから」


「……今すぐじゃダメ?」


「バカ、我慢して」


「無理。初兎、可愛すぎる」


独占欲にまかせて抱き寄せた腕の中で、

初兎は顔を赤くしながら、少しだけ微笑んだ。

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