「…おそすぎないかな?」
国連は本部の入り口に人王立ちしていた。そして優しげな笑みを浮かべて規則正しく正座をして並んだ五人を見下ろしていた。
するとドイツが口を開いた。
「すいませんでした誠に申し訳ございません全てこれはブルガリアが悪くてですね」
そんな言い訳をすると国連の目に光がない状態で笑みを浮かばれた。するとブルガリアは焦って口走りなり冷や汗をかく。
「まともなドイツとオーストリアとハンガリーが食べるのを止めてくれていたらこんなことにはなりませんでした」
するとブルガリアの隣にいたトルコがブルガリアの頭をペシっと叩いた。
「おい。俺まとも枠入ってないん?」
するとハンガリーが冷静になって言い訳をした。
「そんな発想するブルガリアが悪いです私は無実ですそもそもドイツがヨーグルトを空港で見つけなければよかったんです」
「は?ちがうわそもそもあのコンビニ選んだのハンガリーだろ」
「大体そこの空港に運転したのトルコだろ」
「オーストリアがおすすめって言ったからだし。俺ちげーし」
「はぁ〜…!?ていうか…!」
「んだと!?大体お前は…!」
「喧嘩すんなよ」
「お前もお前だわ!お前も…!」
「なんで巻き込むんだよ!」
物騒な言葉が飛び散る中、国連はその様子耳に入れずに珍しく無表情だった。そして…
「……君たちさー?」
「あ…(全員」
数分後…
いつもニコニコしている国連は時々感情が顔に出てしまう。そして今がその時だった。
コツコツコツ…
「………💢」
ドイツ達は国連の後ろを歩く。顔は見えないが廊下の反射でめちゃくちゃイライラしていることがわかっていた。
「あのぉ〜……国連…」
絶賛気まずい空間にブルガリアが声を出す。
「ん?なんだい?」
国連は後ろを向かず歩き続けながら涼しげな返事をする。
「僕たちが呼ばれた理由って…」
「……。まぁ着いたらわかるよ」
「はい……」
いつもはアメリカはブラジルでうるさくなる廊下だが今日は日曜のせいでまるで静かだ。
静かすぎることに気まずい。ここで思い知らされる。国はいつもカオスでうるさくて静かになる時なんてスペインとポルトガルがギャグで滑った時くらいだ。
その頃キッチンでは…
「これもOK!じゃあ…完成ー!」
「おいしそう…」
「だねぇ。味見してみる?」
「うん…!」
カナダとリヒテンシュタインはキッチンにある木製のテーブルの上に置いた食缶に入っている出来立てほやほやのクリームシチューをスプーンで掬う。
「わぁ……ふーふー…」
「………(ニコ」
リヒテンシュタインはフーフーと息を吹きかけて冷ます。
カナダはその姿が儚く見えた。
そしてそっと口に運ぶ。
「…ん!!おいひい!!」
「ほんと!?よかったね!!」
「うん……!」
「じゃあ…うーん、このまま持っていっちゃうか。人数分のスプーン持っていける?」
「わかった…」
「じゃあ僕は食缶持って行くか…。(お皿どうしよう…」
カナダがそっと悩んだ末…
「よっ。今どんな感じ」
「あ!WHO!ちょうどいいところに」
「なんだい?」
「食器持ってくれません?人手が足りなくて」
「あーね。いいよ。」
WHOは棚にあるお皿を何枚か重ねる。
リヒテンシュタインは扉を開けると端に寄った。
「ありがとう。すぐ通るね」
カナダは重い食缶を持ってすぐ出る。すると廊下の奥から歩いてくる人の塊。
「あ…!国連戻ってきた!」
「まじ?」
するとWHOもお皿を持って廊下に出る。
「やっほー」
国連はそこまで歩くとリヒテンシュタインが扉を支えていたのを見つける。
「偉いね」
「(コクリ」
「Hello!(🇨🇦」
「Hello(🇩🇪」
「Здравей(🇧🇬」
「Merhaba(🇹🇷」
「Hello(🇦🇹」
「Hello(🇭🇺」
「さ、みんなで行くか」
国連はそう言うとコツコツと廊下を歩き始めた。
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