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#元カレ
まぁ
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芙月みひろ
442
黒歴史つくーる
77
「お疲れ様でした」
昼間に思い出した夏の日と違い、今日は寒い。寒さのピークを迎えると言われる立春を過ぎたばかり。ダウンコートの中に鎖骨下までの髪が入り込んだまま、駅までを足早に進む。帰りを急いでいるわけではないけれど、寒さのせいで足早になる。
―― でも、気持ちはぽかぽかなのよね
と、電車内でドア付近に陣取って足を踏ん張りながら思う。
『俺たちのこれからの話、そろそろしたいな、と思ってる』
年明けから、そう言っていた徹さん。
『これからの話もしたいし、静かな店を選んだから』
と、昨日の電話で私に伝えてくれた徹さん。
―― これからの話
私はその言葉を聞く度に、ぽっと気持ちが温かくなっていた。同時に、まだ伝えられていないことを彼に伝えなくてはいけない、とも思う。
アパートに帰り、玄関でコートを脱ぐと、下駄箱の上にあったシュシュで髪をまとめる。そして洗面所へ行くと
「フフッ……」
そこにも同じ小花柄のシュシュが置かれていて思わず笑いが漏れる。秋に2回、徹さんが続けてデートのドタキャンをしたことがある。
『急用』
と言うだけで
『あとで説明する』
と2回とも言われた。
結局、季節外れの風邪で熱を出していたのが恥ずかしくて『急用』と言ったらしいのだけど、私はその間不安だった。
―― 私と会いたくなくなったの……?
押しかける勇気もなかった私は、その時、落ち着きなくただ見ていた動画で【布を筒状に縫ってゴムを通すだけで完成する、最もシンプルな手縫いシュシュ作り】を見つけた。そして探し出したのが、大学生の時に買った小花柄のキャミ型ブラウス。さすがにもう着ない、その生地を使って作ったシュシュが4つもこの部屋にはあるのだ。
コメント
2件
2回もドタキャン? これは…って思っちゃうよ… 樋代ちゃんは押しかけもせず、シュシュ作って… なんか胸がキュッとなっちゃうよ( ◞‸◟ )
第5話、読み終えたよ! 「これからの話」っていう徹さんの言葉に、主人公がぽかぽかしてるのがすごく伝わってきて、こっちまで温かい気持ちになった。それでいて、まだ伝えられてないことがあるっていうのも気になる展開だね。 そして、ドタキャンのあとに不安で手縫いのシュシュを4つも作っちゃったエピソード、めっちゃ可愛いし共感しかないわ。同じ柄のシュシュが2つ並んでるの見て笑っちゃう主人公、好きだなあ。 次も楽しみにしてる🔥