テラーノベル
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バタン、とドアが閉まる音がした。
「……」
静寂が戻った部屋で、僕はゆっくりと目を開けた。意識は、半分覚醒していた。
「もしかして、今……」
さっき、うとうとしていたとき、額に、柔らかくて温かい何かが触れた気がした。 冷えピタの冷たさとは違う、じんわりと熱を持った感触。そして、遠くで聞こえた『デートしたい』という可愛い声。
「……夢じゃ、ないよな」
僕は彼女が残したぬくもりを確かめるように、額に右手を当てた。熱のせいだけじゃない。顔がカッと熱くなるのが分かった。
身体はまだだるい。けれど、心の中はこれ以上ないほど満たされていた。僕は額に手を当てたまま、幸福な余韻に浸り、再び瞼を閉じた。
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