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月夜に吠える、君の名を 《続》

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月夜に吠える、君の名を 《続》

10 - 第10話 再び鉄格子の中で

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2025年08月16日

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意識が戻ったとき、視界に飛び込んできたのは、見覚えのある鉄格子だった。冷たい石の床、湿った空気……

最初に捕まった時と同じ牢屋だ。


『……起きたか?』

低い声に顔を上げると、健がすぐそばに座っていた。

両手首には縄の痕がくっきりと残り、服は泥と血で汚れている。

それでも、紗羅を見る瞳には安堵の色があった。


『無事で良かったわ……』

「健こそ、大丈夫?」

『俺は平気や。紗羅の方が心配やった。』


2人の会話は、鉄格子の外に立つ見張りの視線に遮られた。

《明日、日が沈む前に“処分”が下る。逃げられると思うな。》

そう吐き捨てると、見張りは重い足音を響かせて去っていく。


静寂が戻った牢屋で、健は膝を抱えた。

「……ここから出る方法、もう一度探そう。」

『でも、見張りが増えてるし……』

紗羅は一瞬だけ迷ったが、健の手を握る。

「それでも一緒に考えよう。諦めたくない」


月明かりが小さな窓から差し込み、2人の影を重ねた。

たとえ鉄格子に閉ざされても、この手だけは離さないと誓うように。

月夜に吠える、君の名を 《続》

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