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ぼんさん
「……ちょっとだけ、きついっす」
その言葉が落ちた瞬間、部屋の空気が止まった。
ドズルはすぐに何も言わない。
軽く扱いたくなかった。
ドズル
「うん」
短い返事。
ぼんさんは画面を見たまま続ける。
ぼんさん
「でも別に、大したことじゃないんで」
ドズル
「“でも”ってつけるあたり、全然大したことじゃないって顔してないですよ」
ぼんさん
「……そんな顔してます?」
ドズル
「してます」
少しの沈黙。
そのとき。
カチャ、
ドアが開く。
おんりー
「……あ」
二人が振り向く。
おんりー
「スマホ、忘れました」
部屋の空気を察するのに、一秒もかからなかった。
おんりー
「続けてください」
帰らない。
ぼんさん
「いや、別に何も」
おんりー
「“きつい”って聞こえました」
直球。
ぼんさんは小さく息を吐く。
ぼんさん
「いやぁ、聞こえてたかぁ」
おんりー
「はい」
静かな肯定。
ドズル
「ぼんさん、最近ずっとコメント一人でやってるじゃないですか」
ぼんさん
「それは、仕事だから」
即答。
おんりー
「削除、多いですよね」
ぼんさん
「それも、必要なやつだけ」
おんりー
「僕のも消してましたよね」
止まる。
ドズル
「……え?」
おんりー
「“声小さい”ってやつ」
ぼんさん
「……あれは」
おんりー
「平気です」
ぼんさん
「でも、」
おんりー
「平気です」
かぶせる。
おんりー
「自分の分は、自分で受け取れます」
ぼんさん
「……」
おんりー
「守らなくていいです」
その言葉に、ぼんさんの視線が揺れる。
ぼんさん
「守ってるつもりは」
おんりー
「ありますよ」
即答。
ドズルは何も挟まない。
おんりーは続ける。
おんりー
「ぼんさん、、」
「最年長だから、ですよね」
ぼんさん
「……」
おんりー
「ぼんさん、最近“最年長なんで”って言う回数、増えてますよ」
ぼんさん
「それは、」
「便利なんだよ、笑」
少し笑う。
おんりー
「便利ですよね」
間。
おんりー
「責任背負う理由にできますし」
ぼんさんの指が止まる。
ドズル
「ぼんさん」
ぼんさん
「……俺が崩れたら、嫌でしょ」
静かな本音。
おんりー
「嫌じゃないです」
即答。
ドズル
「嫌じゃないですね」
重なる。
ぼんさん
「いや、嫌でしょ。空気重くなるし」
おんりー
「重くなったら直します」
ぼんさん
「直すって」
おんりー
「一緒に」
その言葉は強くない。
でも、揺れない。
ぼんさん
「俺、”最年長”なんで」
まだ、手放さない。
ドズル
「うん」
否定しない。
ドズル
「最年長でいてください」
ぼんさんが顔を上げる。
ドズル
「でも、一人で全部やる人にはならないでください」
沈黙。
おんりー
「でも、最年長って、孤独担当じゃないですよね」
ぼんさんは、思わず笑う。
ぼんさん
「孤独担当ってなんだよ」
おんりー
「違いますよね?」
ぼんさん
「……違う」
小さな声。
おんりー
「じゃあ、分けてください」
ドズル
「コメントも、気持ちも」
ぼんさん
「わける、かぁ〜」
「行けるかぁ、?」
画面には、まだ例のコメントが残っている。
〈最近、無理してない?〉
ぼんさんはそれを見る。
削除しない。
非表示にもしない。
ただ、見ている。
ぼんさん
「……俺、最年長でいたいんすよ」
((ボソッ…その方が、楽でいられるから
ぽつり。
ドズル
「いいじゃないですか」
おんりー
「いてください」
ぼんさん
「でも、強くもいたい」
おんりー
「強い人って、弱音言わない人じゃないですよ」
ぼんさんは何も言えない。
ドズル
「今日は、ここまでにしません?」
静かな提案。
ぼんさん
「……はい」
立ち上がる。
おんりー
「明日、普通にやりましょう」
ぼんさん
「普通に?」
おんりー
「最年長のままで」
少しだけ笑う。
ぼんさんも、かすかに笑う。
ぼんさん
「了解。最年長続行で」
ドズル
「でも一人作業は禁止です」
ぼんさん
「それは困るなあ」
おんりー
「困ってください」
空気が、少しだけ柔らぐ。
でも、問題は解決していない。
ただ——
一人で抱える夜ではなくなった。
「きっと、頼るよね、ぼんさん」
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