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続き↓だお(?)
「約束と未来」
――オフの日 / “デキてる疑惑”発生
「……なあ」
烏が小声で言う。
「これさ」
視線の先。
普通に歩いてる二人。
乙夜と、潔。
「デキてね?」
「それな」
千切が即答する。
「いやいやいや」
玲王が否定しようとして——
少しだけ言葉が詰まる。
「……いや、でも」
ちらっと見る。
乙夜が、潔の方を見て笑ってる。
あの軽い笑い方。
でも——
他のやつに向けるのとは、ほんの少し違う。
「いや、あれは……」
玲王が言いかけてやめる。
「目な」
雪宮がぼそっと言う。
「完全に違う」
「分かる」
蜂楽がにこにこ頷く。
「楽しそうだもん、ずっと」
その頃、当の本人たち。
「でさ、その時マジでさ」
乙夜が普通に喋ってる。
テンションもいつも通り。
「いやそれ絶対お前が悪いだろ」
潔が即ツッコミ。
「は?なんでだよ」
「いや聞いてたら分かるじゃん」
距離、近い。
自然に近い。
無意識に近い。
「……あれ無理」
凪がぼそっと言う。
「何が?」
玲王。
「入る隙間ない」
全員、ちょっと黙る。
「確かに」
國神が頷く。
「おい乙夜!」
烏が声をかける。
「ん?」
乙夜が振り向く。
「その“潔”貸せよ」
ニヤニヤしながら言う。
「は?」
乙夜の声色が変わる。
一瞬で。
「何言ってんだお前」
空気が、ほんの少しだけ張る。
「あー……」
千切が顔をしかめる。
「出た」
「いやいや、ちょっと喋るだけじゃん?」
烏が軽く言う。
「別にいいだろ」
その言葉に、
乙夜は一瞬だけ黙って——
「……まあ、いいけど」
そう言いながら、
一歩、前に出る。
無意識。
完全に無意識に。
潔の“前”に立つ。
「……あ」
蜂楽が小さく笑う。
「ガード入った」
「いや今のは完全に」
玲王が小声で言う。
「彼氏」
「違うだろ」
國神がツッコむけど、
声に説得力がない。
一方その頃。
「え、何?」
潔が状況を理解してない顔で言う。
「なんか俺、貸し借りされてる?」
「気にすんな」
乙夜が軽く言う。
でも立ち位置は変わらない。
まだ前にいる。
「……」
潔が一瞬だけ乙夜を見る。
「お前さ」
小さく言う。
「そういうとこだぞ」
「は?」
「いや別に」
潔が少し笑う。
「守ってくれてんのかと思って」
その一言。
乙夜の動きが、一瞬止まる。
後ろで、
「「「あーーー」」」
小さく盛り上がる。
「確定」
烏。
「確定だね」
千切。
「これはもう無理だ」
玲王。
「本人たち無自覚パターン」
雪宮。
「一番厄介なやつ」
凪。
「違ぇよ!!」
乙夜が振り返って叫ぶ。
「何が!?」
烏が笑う。
「普通だろこれ!」
「どこがだよ!」
「めっちゃ守ってたじゃん今!」
「無意識であれはやばいって!」
一斉に言われる。
乙夜、言葉に詰まる。
「……いや」
何か言おうとして、
言えない。
その横で、
「え、そんな変?」
潔が普通に聞く。
「変だよ」
全員即答。
「えぇ……」
「お前ら距離近すぎ」
千切。
「会話のテンポもおかしい」
玲王。
「なんかもう完成されてる」
雪宮。
「付き合ってんだろ?」
烏が直球。
数秒の沈黙。
「違う」
乙夜が言う。
即答。
「違うよ」
潔も言う。
同時に。
また一瞬、空気が止まる。
「……」
全員、顔を見合わせる。
「……でもさ」
蜂楽がにこっと笑う。
「“今は”って感じだよね」
その一言。
乙夜が、少しだけ目を細める。
潔も、何も言わない。
否定も、肯定も、しない。
「ほら」
蜂楽が楽しそうに言う。
「未来あるじゃん」
その言葉に、
誰もツッコまなかった。
乙夜は小さくため息をついて、
「……うるせぇな」
と言いながら、
ほんの少しだけ、
潔の方に近づいた。
無意識に。
それを見て、
全員が同時に思った。
(あ、これマジで時間の問題だわ)
オフの日はまだ続く。
でも——
この空気は、もう元には戻らない。
約束と未来は、
確実に、同じ方向を向いていた。
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みる🎼🎧 サブ垢
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