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(主人公はまたもや輝)
「暇だなぁ」
そう呟くのは、この国「我々国」を作ったと言われている人物、輝。
前総統とでもいう。
現総統であるグルッペンは戦争が大好きなのだが、
ここ最近は戦争はしていない。
「暇」と呟くのだから勿論輝も戦争好きのサイコパスである。
【幹部に告ぐ。今から直ぐに会議室に集まれ。】
放送、ではなく『インカム』と呼ばれるトランシーバーと同じようなもので発信された。
「今のグルさんか。て事は？」
グルッぺンが発信したという事は、つまり戦争だろう、と思った輝はすぐさま会議室へと向かった。
皆(みな)が集まり、直ぐに告げられたのはやはり「戦争」だった。
やっぱりな、と皆は口々にそう言った。
戦争好きでサイコパスのグルッペン、ゾム、そして輝は嬉しそうに見えなくもない。
「戦争そんなに好きか？w」
「楽しいやん！分からんか？」
そう話すゾムとコネシマ。
殆どの人は戦争の楽しさが分からないと。
それもそうだろう。死ぬ可能性は十分にあるのだから。
「輝も楽しそうにしてるし…」
そんなに楽しそうにしてた？とでも言いたげな顔をしている輝。
楽しそう、という言葉には否定しない輝。
ヤバいね。
戦争をすると決まって、会議が終わり部屋へ戻ろうとしていた時、ある兵士の言葉が輝の耳に入った。
「輝様って何考えてるかわからんよな」
「ホンマにな？不思議な男の子って言われるくらいやしなぁ」
輝は周りからは不思議な男の子と呼ばれていたのだ。
口数が少ないし、表情の変化もあまりない。
本当に何を考えているのかが分からないのだ。
「でも教えんのめっちゃ上手いよな！！」
教える時だけは口数が多い…のか？
口で教えるよりも、やってるところを見て実際にやった方が覚えられるという考えの輝。
それで上手いのかは分からないが、輝がいる短距離部隊の兵士達は他の部隊より断然に上手い。
…という事は教えるのが上手いって事か。
「不思議な男の子ねぇ…」
その通り名は、いい意味なのか、悪い意味なのか。
その通り名は、嬉しいのか、嬉しくないか？
「分からんわ」
取り敢えず、何とも思ってないから放っておこう。
そうしてそのまま眠りについた。
君達は知っている？『不思議な男の子』以外にも輝には通り名がある事を。
それはね？
眠り姫。
一つ目の通り名は『男の子』なのに二つ目は『姫』だって。
まるで矛盾してるじゃないか。そう思うかもしれない。
でも、女性が着る巫女服に、髪はツインテールで、姫と呼ばれるのも無理はなくない？
あ、そうそう。眠り姫って呼ばれる理由はね？
よく寝るからだって。そのままだよね。
でもそのままで覚えやすいのが通り名か？
お姫様みたいな、よく眠る不思議な男の子の日常、見たいですか？
start――
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