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アリスは洞窟内の岩と岩の間をトントンと駆け上がり、岩がない部位を狙って斬りかかるが、ロックウェアーモウルはそれを先に感じ取る様に、岩の部位で剣を弾く。
ルードは、洞窟内だからなのか、いつもの火の魔法を使わず、風の魔法を使っているが、火の魔法程、相性が良くないのか威力が乏しい気がする。
手助け出来ないか考えるが、光の結界で囲っても、魔物だけだと攻撃出来なくなるし、どうしたらいいんだろう。
いつもなら、後ろが騒がしいのに、誰も姿を見せないし……。
「風の精霊よ!」
アリスが叫ぶと、風の刃がロックウェアーモウルに向かって何本も飛んだ。
水の刃の風バージョン?!
魔物の岩の鎧に、獣が爪で引っ掻いた様な傷が幾筋もついた。
すごい! これなら勝てるんじゃないかな!
そう思ったが、アリスは連続でその魔法を使わなかった。
もしかして、魔力が足りない?
どうしよう、やっぱり参戦するべきなのかと考えていると、後ろからスッと口を押さえられ、もう片方の腕で私は座らせられた。
スペード? 何を!?
「アイツは音や振動に敏感っす。リサちゃんは黙って見てましょうね」
「リサちゃん!?」
アリスがこちらの状況に気がつき、駆けつけようとした時、
ドゥゥゥゥゥ
ロックウェアーモウルが身体を大きく揺すった。頭上から、沢山の石礫が落ちてくる。
まさか、落盤?!
落ちてきているのは石だけだが、中には大きな物もある。
あれを何度もされたら、本当に落盤するかもしれない……。
「「「風の精霊よ」」」
私以外の三人が風の魔法で、雨の時、傘代わりに使った様にして石礫を弾いた。
私を守ったスペードの行動を見て、着地した後、少しアリスの動きが止まった時だった。
二人が急に、パタリと倒れた。
何で!? まさか魔力切れ?
ブンブンと顔と腕を振り、スペードのゆるい拘束を解く。スペードは、おっとっす、と言いながら、パッと手を放した。そのままアリスに近付こうと、私は走り出した。
ドゥゥゥゥゥ
また、ロックウェアーモウルが身体を揺する。
皆を守って!
「ライト!」
キィンッ
結界をはり、石礫から、自分とアリス達を守る。アリスの元にたどり着くと、耳元にあの小さな魔獣がいた。
もしかして、ルードも!?
そう思った瞬間、私にも睡魔が襲いかかってきた。まさか、私にもあの魔獣が?
どうしよう……、私が寝てしまったら……。見える人が、追い払う人も……、居なくなる。そんなの、終わりじゃ……。
抗えない眠気に、私の瞼が落ちてくる。
「あーぁ、だから黙って見てましょうねっていったのに――。これだからリサちゃんは――」
スペードの声がする。私の意識はここで一度、暗転した。
コメント
1件
うわああ洞窟バトル熱い!!アリスの風の魔法めっちゃカッコよかったけど、魔力切れでバタンは焦った💦 そしてスペードがリサちゃん口押さえて黙らせるシーン、守られてる感じがエモすぎる…!最後の「だからいったのに」がじわじわくる~。あの小魔獣の正体が気になりすぎるよ😭✨