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【第三話 彼はボディーガード】
学校。美咲は髪をなびかせ、教室へ入る。陰キャが美咲を見つめる。美咲がその生徒に「おはよう。」と元気に言う。これで、イチコロだ。
「おはよう。ミサキ」
紫苑が着席する。美咲はドキッとした後、元気に「おはよう」と言い返した。
「おはようございます!紫苑君!」
…ココミが紫苑の席へ行く。紫苑はおはようと微笑んだ。ココミは「えーっと」と連呼しながらバッグをガサゴソと漁っている。一つの箱を取り出し、紫苑に差し出す。
「お弁当、作ってきたの!良かったら食べる??」
紫苑は「いつもの」反応だ。毎日、ココミは弁当を作ってくるのに、あからさまにビックリする。これも、演技だろう。
「本当にありがとうね。」
ありがとう、と言われたココミは、美咲の方を向き、ニヤリと笑った。「私の方が相応しい」と言わんばかりのドヤ顔だ。美咲は少し腹を立てながらも、教科書を準備する。
「美咲、今日もかわいい」
「ふふ。ありがと。紫苑もカッコいい」
そんな、ありきたりな文章を、AIのように話す。それしか、ネタがないのかもしれない。これにもココミがニヤリと笑う。そして、右手には丸めた新聞があった。
「ミサキ〜。っあっ!!手が滑って!!」
ココミは新聞を美咲に投げつける。
ーーーーーパッ!!
紫苑は素早く、美咲に当たる前にキャッチした。丸めた新聞を眺める。
「…わざと?」
紫苑はココミを睨む。
「な、な訳ないじゃん!!勘違いしないでね!本当にごめん!!ミサキに当たりそうだったね〜。ごめんごめん!ホントごめん!」
嘘と丸わかりの、半笑い謝罪だ。これはいつも通り。嘘が下手すぎる。
「…ならいいよ〜。言っておくけどさ、ミサキを虐めた奴、絶対に許さないからね。」
ココミはドキッときた。
「虐めないよ〜!!」
美咲はココミに向かって…
ニヤリと、笑った。