コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
静けさに満ちたウルトラ・シティの中心……かつてベリアルが降り立ったその場所に、オブスペラは堂々と立っていた。
彼らは優雅でありながらも決然とした動きで、
その身を包んでいた深紅の暗きマントを静かに外した。
そのマント――皇帝ベリアルの遺産は、
まるで当人が踏みしめた大地へ敬意を示すかのように、
ふわりと地面へ落ちていった。
マントを脱いだオブスペラの姿は、細身で、
まさに戦いに赴くための体躯そのものだった。
だが、その周囲に満ちる闇の気配はさらに強まり、
圧倒的な威圧感となって放たれていく。
鋭く澄んだ蒼い瞳が、まっすぐ前方を射抜いた。
挑む者を拒むような、静かな闘志を湛えて。
遠くから様子を見守っていたウルトラ戦士たちは、
肌を刺すような緊張をひしひしと感じ取っていた。
これはただの戦闘ではない。
かつて光の国を覆い尽くした闇の残響――
その遺産が、再び姿を現したのだ。
オブスペラはゆっくりと腕を上げ、
カイザーベリアルの象徴でもあるギガバトルナイザーを召喚した。
紫藍に染まる暗き光が、刃の周囲に揺らめく。
そして――
ギガバトルナイザーを媒介に、
オブスペラはウルトラマン・リブットの必殺技を発動した。
青いエネルギーで編まれた結界、
ストロングネット(ストロングネット)。
だがオブスペラのストロングネットは、
リブットのものとは役割が違っていた。
盾であり、牢獄でもある。
リブット・ブロッカーの機能を組み合わせ、
外界を完全に遮断する隔離領域となっていた。
「……オレの技だぞ。」
驚愕したリブットが、一歩前に出る。
その間、円状の結界内部ではすでに戦闘が始まっていた。
ゼロは待つことを知らぬ戦士だ。
強者を前にしたとき、真っ先に動く。
黄金の光弾――
ワイドゼロショット(ワイドゼロショット)が
空気を裂き、爆ぜる光の尾を引いて放たれる。
だがオブスペラは、身体をわずかに傾けただけで避けた。
まるで死の舞踏のような、滑らかな動きだった。
「……普通じゃねぇな、お前。」
ゼロが低くつぶやく。
満足しないゼロは、素早く動いた。
頭部の両スラッガーを外し、青く輝く三日月状の刃へと合体させ、
自らのカラータイマーに装着して剣と化す。
ゼロツインソード(ゼロツインシュート)。
プラズマスパークの光を受け、
ゼロは宙へ跳び、その刃は空間を裂くように放たれた。
受け継いだ力、鍛え上げた技。
まさにウルトラ戦士としての純粋な強さだった。
ゼロは身を翻し、空中で回転しながら
青い刃をオブスペラへ振り下ろす――
――ガキィンッ。
光と空気が擦れ、鋭い音が響く。
だが……
オブスペラはわずかに首を傾けただけで、
その軌道を逸らし、
刃は強固な結界に弾かれて空へ消えた。
ストロングネットの内部で戦いが繰り広げられる中、
周囲のウルトラ戦士たちは言葉を失っていた。
「……あれ、オレの技だ。」
リブットが呟く。
タロウが鋭い眼差しで問いかける。
「お前じゃないのか? 発動したのは。」
リブットは静かに首を横に振った。
「……違う。だが、完璧に同じだ。」
「じゃあ……本人が勝手にリブットさんの技を?」
グリージョが不安げに続ける。
「どういうことだ……?」
エースが眉を寄せる。
「またタルタロスの仕業か……?」
ゾフィーが過去の事件を思い返す。
リブットはオブスペラから目を離さぬまま言った。
「もしあれが使えるなら……
他のウルトラの技を“コピー”――
いや、“奪う”ことすら可能かもしれない。」
その言葉に、場の空気がさらに重く沈んだ。
新世代ウルトラ戦士――
ギンガ、ビクトリー、エックス、ロッソ、ブル、そしてタイガ。
皆、圧迫するような闇の気配を感じ取っていた。
タイガは腕のタイガスパークを強く握りしめた。
オブスペラに宿る“あの男”の気配が、
胸の奥を鋭く締め付けた。
内部では、ゼロがさらに攻勢へ出る。
ウルトラゼロキック(ウルトラゼロキック)。
光の軌跡を残しながら放たれる神速の蹴り。
だがオブスペラは半歩引いただけで避け、
ゼロの脚は空を切った。
ゼロが荒い息をつくと、
オブスペラは静かに口を開いた。
「ゼロ……
ただ、あなたを“理解したかった”だけです。」
蒼い瞳がゼロを見つめる。
その奥には――
ベリアルの影と、説明し難い深い謎が揺らめいていた。
「どういう意味だよ!」
ゼロが吠える。
だがオブスペラは答えず、
ギガバトルナイザーを振り抜いた。
闇の波動――
ダークエナジー・スラッシュ。
その一撃はゼロを襲い、
結界へ叩きつけ、地面へ滑り落とす。
外では焦りが走る。
だがウルトラの父が手を上げ、
「待て。まだ正体が定かではない。
軽挙は許さん。」
と、静かに止めた。
オブスペラは倒れたゼロへ近づき、
落ち着いた声で告げる。
「……ゼロ。
この勝負は、これで終わりです。」
ギガバトルナイザーを振ると、
ストロングネットは光の粒となって消えていった。
結界が消えた瞬間、
周囲のウルトラ戦士たちは警戒の構えを取る。
ゼロの前に立つ“父”と“母”。
その隣で、究極勇者たちが盾となる。
グレンファイヤーが叫ぶ。
「おい! あれ、リブットの技だろ!
どうやって使ってんだよ!」
ミラーナイトは静かに問う。
「目的を言え……何を求めてここへ来た?」
ジャンボットとジャンナインは
機械的な声で続く。
「疑問が増える一方だ。」
「このまま放置するわけにはいかない。」
オブスペラは何も言わず、
彼ら一人ひとりを冷静に見渡した。
そして静かに語り始める。
低く、かすかに掠れ、
優雅でありながらも高圧的な声――
まさにトレギアを思わせる口調に、
しかしその奥には否応なくベリアルの闇があった。
「私が求めたのは……
“ウルトラマンゼロ”という力。
それだけです。」
沈黙が走る。
その名が放つ意味を
ウルトラ戦士たちは理解していた。
ゼロは息を整えながらも、
視線を逸らさずにオブスペラを見つめた。
だが父の手が再び上がり、
“止まれ”と告げた。
光の国の街は静まり返り、
まるで見守るかのように光を弱める。
そんな中でオブスペラは、
足元に落ちたマントへ手を伸ばす。
その仕草は優美で、
だが冷徹に研ぎ澄まされた動きだった。
マントを肩へかけ直し、
背を向けたまま、静かに告げた。
「言わずとも……
あなたたちはもう気づいているはずです。」
蒼い瞳がかすかに揺れ、
手首のタイガスパークが微かに光った。
父と母は息を呑み――
ジードは不安に声を失い――
ゼロはただ、真実を待つように立つ。
そしてオブスペラは言った。
「私の名は……
オブスペラ。
ただ、それだけです。」
空気が震えた。
その名こそ、
闇と光の狭間に生まれた影。
そして沈黙は、
これから紡がれる真実への
静かな幕開けとなった。
*to be continued.