【設定】
 深澤辰哉→花屋 “fleuriste” の店員
33歳,照の専属店員
 岩本照→会社 “neige”の社員
32歳,毎日fleuristeに通っている
 ⚠︎ご本人様には関係ありません
iw side
 
 俺は,岩本照。32歳で,neigeという会社に勤めているごく普通の一般人。会社は仕事量少なくて,ほぼ毎日定時帰り。アットホームすぎて心配するほどのホワイト企業。しかも社長は人当たりがよく,とてもフレンドリーでみんなから信頼されている頼もしい人だ。社長のおかげで毎日幸せに同期とも後輩とも楽しくやれてる。だからプライベートも,毎日の仕事終わりも充実している。
 
 
 
 毎日仕事終わりに,会社から歩いて5分ぐらいのところにある可愛らしい花屋で花束を買って帰るのがルーティン。
 
 iw「こんばんはー」
 
 花屋の少し古びた扉を開けて挨拶をする
中は緑色の物で統一されていて,花たちの一つ一つの色が映えて見える
可愛らしい花を眺めていると,奥からふわりとした声と共に人がやってきた
 
 fk「こんばんは,照さん。今日もいつも通りでいいですか?」
 
 この方は深澤辰哉さん。この “fleuriste”という花屋で働いている。そして,俺の専属店員さん(←俺が頼み込んだ)。いつも深澤さんに花を選んでもらっている
 
 
 iw「うん,いつも通りお願いします。」
 
 fk「はい! 了解しました!」
 
 キレのいい返事をした辰哉さんは,壁にかけてあった淡い紫色のエプロンを手際よく着て,花を選び始めた
 
 俺がこの花屋に通い続けるのは花が好きだからっていうのもあるけど,本当は辰哉さんに会うため。
1年前,この花屋の前を通りかかった時,辰哉さんがちょうど外の花に水をあげていて,その姿に一目惚れした。
それ以来,辰哉さん目当てでこの花屋に訪れている。
辰哉さんは栗色のふわふわとした髪で,人柄もふわふわしている。
そしてなんと言ってもあの白い肌。
白い肌の辰哉さんはとても綺麗で,特に手が綺麗。
花屋で働いているのに全く荒れていなくて,指もスラリと長く,女性の手のように綺麗で可愛らしい。
所作も動作も言葉遣いも上品で,見ていてとても美しく感じる。
 
 鼻歌を歌いながら花を選ぶ辰哉さんを見て,ぼーっとしていると
 
 fk「照さん,こんな感じでどうでしょう? 」
 
 と柔らかい笑顔で問いかけてくる
 これは正直,誰でもドキッとするほど,その姿は美しく,儚い
 
 iw「…今日も綺麗に仕上げてくれたんですね,とてもいい感じです。」
 
 fk「よかったです,ではラッピングしますね!」
 
 と出来上がった花束を持って,小走りでレジの方に駆けて行った
 
 辰哉さんはいつも黄色の紙でラッピングをして,淡い紫色のリボンを巻いてくれる。これは前に好きな色を聞かれた時に,俺が黄色と淡い紫色と答えたからだ。元々黄色が好きだったが,辰哉さんがきているエプロンを見て,淡い紫も好きになった。
 
 店内には辰哉さんがラッピングをしている音だけ鮮明に響く。俺はこの空間が心地いい。
 ラッピングをしている辰哉さんは夕陽に照らされ,栗色の髪も,白い肌も輝いていて,ふわっとどこかへ消えてしまいそうなほど儚く感じる。
 
 fk「照さん,ラッピング終わりました」
 
 iw「あ,ありがとうございます」
 
 fk「お会計は,550円になります」
 
 iw「はい,550円で」
 
 fk「ちょうどお預かりいたします」
 
 iw「…今日は辰哉さんだけですか?」
 
 fk「はい,他のみんなはもう上がりました」
 
 iw「そうなんですね,お店はもう閉めます?」
 
 fk「そうですね,今日はこれで終わりです」
 
 iw「じゃあ一緒に帰りませんか? めちゃくちゃ急ですけど…」
 
 fk「ふふ,ほんとに急ですね 笑」
「大丈夫ですよ,一緒に帰りましょう」
 
 iw「やった,じゃあ俺,ここで待ってます」
 
 fk「じゃあ俺は奥片付けて戸締りしてきます」
 
 iw「はい!」
 
 今回初めて一緒に帰ろうと言ってみた。断られるかなとドキドキしたけど,辰哉さんはいつもの柔らかい笑顔で微笑みながら,OKしてくれた。そして奥へ片付けをしないか辰哉さんの後ろ姿は,心なしか嬉しそうに見えた。
まぁ,俺の勘違いだろうけど,
 
 
 
 
 しばらく可愛い花たちを眺めていると,奥からいつもの仕事着ではなく,私服を着た辰哉さんが歩いてきた。
上は白シャツに,胸元に黄色のワンポイントが入った紫色のニットカーディガンを羽織っていて,下はベージュがかった白のダボっとしたズボン。
こういう私服なんだろうなとは想像していたが,それ以上に似合っていて,何より可愛らしかった。
 
 fk「お待たせしました」
 
 iw「お疲れ様です,私服可愛いですね」
 
 fk「えへ,そうですか? //」
 
 iw「はい,とても似合ってます」
 
 fk「ありがとうございます,笑」
「じゃあ,行きましょうか」
 
 iw「はい!」
 
 
 
 
 
 iw「辰哉さん,帰りは電車ですか?」
 
 fk「はい,〇〇で降ります」
 
 iw「〇〇ですか? 俺もそこで降りるんです!」
 
 fk「そうなんですか? じゃあ何度か同じ電車に乗ってるかもですね,笑」
 
 iw「ですね,笑 今度から毎回辰哉さん探してみます」
 
 fk「んふふ,じゃあ俺も今度から照さん探してみます 笑」
 
 と言って笑った辰哉さんは月の光に照らされていて,夕陽の時とは違った美しさと儚さがあった。そんな辰哉さんに俺はドキッとした。
この人はあと何個の美しさを持っていて,何回俺をドキッとさせるのだろう。
 
 fk「電車きましたね,乗りましょうか」
 
 iw「そうですね」
 
 
 
 
 電車に乗るとたくさん人が乗っていた
 辺りを見回してみると端の方に2人分席が空いているのを見つけた。
 
 fk「あちゃー,人いっぱいですね」
 
 iw「辰哉さん,あそこ空いてるので座りましょう」
 
 俺は辰哉さんを壁側の席に座らせ,その隣の席に腰を下ろす
 しばらく電車に揺られていると,右肩にずしりと重みがかかった。
 そちらを見てみると,辰哉さんが俺の肩に頭を預け,すやすやと眠っている。
 長くて綺麗なまつ毛,しっかりと生え揃った眉,鼻筋がすらっとしている鼻,ぽってりとした唇,そして,白くて陶器のように綺麗な肌。
 俺は目の前にある芸術のような光景を目に焼き付けた
 
 
スクロールお疲れ様でした!
 前のお話もいいねの数が100を超えて,本当にびっくりしました‼️
 本当に皆様に感謝です🥲
 こちらのお話は中編集となっております!
できるだけ早めの更新を頑張ります🆙
 では!次の更新まで!







