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何か重要なことが起こっていた気がするので思い出そうと頭を悩ませているとその彼女は目を覚ましたようで欠伸をしながらこちらを見つめてきた。『ふぁあ〜おはよ巴さん。』『おはよう白雪さん。ねえちょっと聞きたいことがあるんだけど今何時か分かる?』
時刻を確認するために携帯を見るとそれはもう朝とは呼べない時間帯を指していた。
そんな状況を見た彼女、白雪は呆れた表情を見せながらもこう言った。
「遅刻ね……」
それから少しだけ時間は経ち学校へと向かわなければならない時間帯になってきたので再び起き上がる。しかし今日という日が平日だったということはすっかり忘れていて急いで支度を始めるが焦れば焦るほど手元はおぼつかなくなりなかなかうまくいかないものだからさらに苛立ってしまう。それでもなんとか準備を終え、いざ行こうとしたところで彼女が制服を差し出してきた。
「これ、巴さんの。着方はわかる?」
そう言われ改めて今の自分の格好を見るとなるほどこれは女子高生そのものだった。おそらくこれが普段の自分だと思われていることを察したがそれを否定することもできず黙って受け取るとその場で着替え始めた。
制服というものは初めて身に付けたけれどこんなに窮屈なものなのかと思いながらスカートを履いていくが案の定上手くいかず苦戦していたら手伝ってくれた。手際の良さに見惚れてしまう程であった。それにしても随分可愛らしく仕立て上げてくれたものだと思う。
鏡の前で一回転しながら全身を見てみるとやはり高校生にしか見えない。それもどちらかと言えば美少女に分類される方だと自分でも思う。
するとその様子を見た彼女が近づいてきて、隣に立つと同じように空を見上げる。
「あーぁ、今日も月が綺麗だね~?」
(そういえば……今更ながら名前聞いてなかったな……まあいいか。もう会うこともないだろうし)
「うん。本当にそうだよね……ずっと見ていたいくらいだよ……あの月のように美しくなりたいな……なんて思ってみたりして……へへ」
(それにしてもこの子は一体どこから来たんだろう?)
2人が見上げた夜空には大きな満月があり煌々と辺りを照らしていた。
そんな時だった―――
ゴーン!ゴーン!! 突然鐘の音と共に強い光が降り注いだかと思うと、目の前に大きな扉が現れる ゴォーン!!! 扉の向こうから聞こえる重々しい音 ゆっくりと扉が開き始めた……
さぁ、行こう…………. これは私が異世界に転生して出会った不思議な話へ