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「君を求めずにはいられない」
低く密やかな声が、耳の奥をくすぐるように響く。
座っていたベッドに身体が倒されると、吸い寄せられるようにその艶めいた唇に口づけた。
「前の分まで、抱いて」
「そんなことを言われては、制御が利かなくなるだろう……」
言いながら彼が、キスマークに唇を押し当てる。
「……んっ。制御なんて、しないで……」
熱を伴う感触が、肌を電流のように走り抜ける。
「君に、酔わされてしまいそうだ……」
降りしきるキスと甘い吐息に、身体が包まれていくのを感じる。
「酔って……もっとあなたが、欲しい」
自らの口が言っていてとは思えないくらいに、煽情的な言葉を洩らして、目の前にある胸板をぎゅっと引き寄せた。
「ねぇ、お願いがあるの……」
息を継ぐ間に呼びかける。
「うん、なんだ?」
「……おまえって、言ってほしい」
「おまえ?」
彼に一言を問い返されただけで、身体がゾクッと震える。
「愛してるって、言って」
ひそめた声で囁やきかける。
「ああ……」と、吐息ともつかないかすれ声で頷いた彼が、私の目を間近に覗き込む。
「おまえを、愛してる」
艶めいた悩ましげな声が、肌にじわりと浸透して沁み広がっていくように感じる。
「愛してる、あなたを」
言葉を返すと、灼けつくようにも感じるキスが唇をさらい、もう息を継ぐことさえままならなかった。