ブランコに2人腰をかける
「今日は月が綺麗ですね?」
そういい小馬鹿にしたような君がいた。
「そうだね、w」
「何その顔〜!」
何万とある星の中に大きな満月が僕たちを照らしていた。
「綺麗な月と一緒に今日はパ〜っと飲んじゃいましょ!」
そういいコンビニで買った袋から缶を取り出す。
「ジンジャエールだけどな、w」
「うっ…ちょっとはカッコつけさせてよ」
「うまぁ〜!夜中のジンジャエール格別!」
「それはそうだなー」
少し錆び付いたブランコをこぎ出す。
「春樹くんはこんな夜遊んじゃって大丈夫なの?」
「俺の家はルールとかゆるいから大丈夫」
良かったといい笑顔を見せる。
「あ、春樹ー!」
公園の外の方から聞き覚えのある声が聞こえた。
「瀬奈、」「よっ!」
「な〜にしてたの?」
そういい隣のブランコに座り大きくこぎ出す。
「友達とジンジャエール飲んでた」
「へー?ジンジャエールって…ガキだなぁ!w」
え、ジンジャエールってガキなのか?
「な、ならお前は何飲むんだよ」
「こ、子供…ビール」
「お前の方が子供だろ!?」
「黙れー!」
「あ、じゃあ私帰るわ」
「うん、ばいばい」
「もう、帰った…?」
「え、うん」
「あー、ごめんね?私極度の人見知りで思わず隠れちゃってw」
「全然大丈夫」
「春樹くん、陽キャなのー?w」
「そんなことない、」
いつも独り言が激しいやつと馬鹿にされている。
どちらかと言えば陰キャの方だ。
「そうなんだ」
「君はどうなの?」
「ん〜、私はまぁまぁかな?w」
「そう、」
少しの間沈黙が続く。
ふと君を見た。月のように光っていた。
「え…、ッ」
「嗚呼…、あっはは、もう時間だねぇ、」
「時間って、なにが…?なんで体光ってんの?」
「ついに言う時が来ちゃったか〜…、w」
「私は、君の“イマジナリーフレンド”なんだよ」
イマジナリーフレンド?なんだ、それ
「なに…それ」
「んー、簡単に言ったら春樹くんが作りあげた人、だから私は存在してないの。春樹君の脳内でしか生き続けれない。」
「え…ぁ…、」
そんな訳ない。そんな訳、
「ねぇ、私の名前…覚えてる?」
「そんなの当たり前…ッ!」
名前…、なまえ、ッ 分かるはずなのに…
「ほら、分かんないでしょ?」
「君は私のことを忘れかけてるのだから私は今消えかけてる、簡単なことでしょ?」
意味は分かってるけど整理がつかない。
「もう、おわかれだね。」
嫌だ。そんなの嫌だ。
「ばいばい!春樹くん!…好きだよッ!」
君の短い髪がぶわっと舞う。
少し目を閉じたすきに君は姿を消していた。
少し揺れているブランコのすぐ下に開けられていないジンジャエールの缶が置いてあった。
「は…、っ」
君の気配が残っているから、更に脳の整理がつかない。
最後に言いたいこと一方的に言い残して、こっちは何も言わせてくれないのかよ。
いまだに脳の整理が追いつかないけど、ひとつ分かったことは
君はどんな星より、思いっきり光っている月よりも綺麗だ。
コメント
4件
なんとも言えない切なさが最高👍🏻💞💞 言葉表現好きすぎる!!!😘
泣きました