今日もいつもと変わらない朝。
早朝の電車に乗って、電車に揺られ1時間。
朝の空気が大好きで、誰もいない電車に乗られるのが嬉しくて、この生活を初めて早半年。
もうすぐ夏休み。周りは次々と相手を見つけて、充実した生活を送っている。私の友達も相手を見つけたらしい。私はと言うと、好きな人はいるもののなかなかアプローチできず、今年も1人かなと思っていた。
あの日の朝までは………
やっぱり、朝早いためまだ誰もいなくて、授業が始まるまでまだまだ時間がある。だから、教室の掃除を始めた。これも初めて半年。もう、今では自分のルーティーンになっている。でも、朝から掃除をすると自分の心まで綺麗になる感じがして好き。
掃除が終わってもまだみんなが来るまでにはだいぶ時間があるので好きな人の席に座ってみた。
私の好きな人。クラス一元気で明るい人。
はぁ〜相手にするのならこの人がいいなーなんて考えていると、足音が聞こえた。やばい。誰か来る。
そう思い立ち上がるとそこに居たのは、
私の好きな人。
佐久間大介くん
やばい。
今の見られてた?
てか、いつもこんなに早くないよね?
いつも遅刻してきてるんだから。
なんでだろう?
なんて考えていると佐久間くんが何か言った。
🩷「おはよう。どうして俺の席にいたの?」
え、どうしよう、なんて答えよう、なんて考えていると佐久間くんから
🩷「もしかして俺の席が良かった?ごめん。この前の席替えで俺が先に取っちゃったから?まじごめん。」
って謝ってきた。え?え?違う、違う、そんなじゃない。佐久間くんのことが好きで、好きな人の席に座ってみたかっただけなの。なのに……
🩷「くれはちゃん?どうしたの?」
と顔を覗いてきた。やばい。かっこいい。朝から佐久間くんの顔を拝めるとか最高すぎる。
なんて思いながら、顔を上げると目の前に佐久間くんがいて、ん?なんて首を傾げていた。あー可愛い。
え?なに?男の子で女の子より可愛いって、考えられない。なんて思いながら、佐久間くんに自分の気持ちを伝えることを決めた。今伝えなかったら、多分次は無い。そう思うと今伝えるしかないと思った。
く「おはよう。あのね今から話したいことあるんだけどいい?」
なんて聞くと佐久間くんは首を傾げた。その後に
🩷「うん。いいよ。どうしたの?」
といってくれた。
く「あのね、言いずらいんだけど私佐久間くんのことが好きで佐久間くんの席に座ってたんだよね。だから、佐久間くんがあの席を取ったとか、あの席が良かったなんてこれっぽっちもおもってないの。佐久間くんがほかの席に座っていれば私はその席に座ってたと思う。だから、私が佐久間くんの席に座った理由は…」
と大切なところを言う時に口を塞がれた。
🩷「くれはちゃん。ちょっと待って。今から告るつもりでしょ?そんなのダメだよ。ずるいじゃん。
くれはちゃんだけ。俺の気持ちも聞いてよ。
実はね。俺も学校が終わったあといつもくれはちゃんの席座ってたんだよね。くれはちゃんのことが好きだから。でも、なかなかいえなくて、で、今教室来たらくれはちゃん俺の席座ってて、そんなの勘違いするに決まってるじゃん。
俺これっぽっちも思ってないよ。この席が良かったのかなー?なんて。なんならくれはちゃん俺のこと好きなのかな?なんて思ったくらいだよ。だから、今くれはちゃんに言われたことすげー嬉しかった。でも、
くれはちゃんから告るのはなしね、
俺告るなら自分からって決めてるから。」
🩷 くれはちゃん。
好きです。
俺と付き合って下さい。
え、え、ぇぇえええええええええええええええ
佐久間くんが私の事好きなの、それに私と同じ行動してたの?え?まって脳内が追いつかない。嬉しい。
どうしよう、あ、まずは答えないと。そう思いながら佐久間くんを見るとキョトンとしていた。
◯「えっと、私も佐久間くんと同じ気持ちで、私が朝早くからきてる理由は、朝の空気が好きだからってのもあるんだけどそれ以外に佐久間くんの席に座りたいからなんだよね。佐久間くんが好きだから。だから、こちらこそよろしくお願いします。大、介、くん、」
と、佐久間くんではなく、大介くんと言ってみた。
すると佐久間くんは私の手を引いて私のことを抱き寄せた。
🩷「はぁ〜ダメだよ、不意打ちは。俺今死ぬかと思った。やばい。好きな人から名前呼びされるの夢だったんだよね〜、ありがとう◯◯。」
と、言って私の唇を塞いだ。
え?え?今キス、した?
佐久間くんも不意打ちじゃん。なんて思いながら今度は私から佐久間くんに唇を塞いだ。すると佐久間くんは驚いたような顔をして、
🩷「◯◯それはダメだって。不意打ちすぎるでしょ」
なんて言って笑っていた。その後も一緒に笑ったりしていると他の子達が廊下を歩く音が聞こえてきた。
すると佐久間くんは私の手を引いて教室を出ていった。
これからは、まだお互いに知らない世界も一緒に見ていこうね。
佐久間くん、
いや、
大介くん。
こんな私といてくれてありがとう。