「うわっ、今何時だろ!!」
そう飛び起き近くにあった時計に目を移すと
「うわやば…1時か」
またやってしまったと思った。
そろそろこんな生活をやめたいのに
どうも癖がついてしまったのか
「狐さん、怒ってないといいなあ」
がんがんと痛む頭を触りながら下へと降りていった。
「お、おはようございます…」
か細い声で彼女はそう言った。
「今何時かわかってますか?」
そう言ったが別に怒りたい訳では無い
「い、1時です」
怒られると思ってるのかビクビクしている彼女にそっと触れる
「別に私も怒りたい訳じゃないんですよ
ただ、遅くまで仕事してる貴方が心配です」
「狐さん…すみません今度からは昼に終わらせるよう志します!! 」
「そうしてください」
「もうお昼ですが、食べたいものはありますか?」
「うーん、特には無いですけど… 」
「けど、?」
「卵焼き、食べたいです…」
俯きながらそういう彼女がとても愛おしい
「わかりました、卵焼きですね
少々お待ちを」
彼女はぱっと明るくなり楽しみにしている
そんな様子をキッチンから見るのが凄くすきだ。
「はい、出来ましたよ」
そうだされたのは作ってもらった卵焼きと美味しいご飯
「いただきます!」
食べると疲れが無くなるように温かさが体の中から包み込まれる。
なんて美味しいんだろう…だなんて毎度思う
「ご馳走様でした!今日も美味しかったです。何もかもしてもらってるのでお皿は私が洗います!」
「いえ、昨日も徹夜で疲れてるでしょう?
貴方はゆっくりと」
「…そうですけど!」
「ゆっくりなさってください」
こう、ここまで言われたらゆっくり休むしかない
まあいいや、丁度疲れてるし
でもいつもお皿洗いや家事なんて全然しないな
狐さんに1人で任せっぱなしだ
流石に申し訳ない。
そうだ!プレゼントしよう!
そろそろ給料日な事だし。
「♪〜」
ふふ、なにやら○○さん上機嫌ですね
よかったです
皿洗いをしながらソファに座る彼女を見つめる
彼女にバレぬよう、ちらちらと
「○○さん、」
「はい、なんでしょうか?」
「髪の毛結ってあげます」
「わ、ありがとうございます!狐さんやるの私より上手いからな〜」
「どんな髪型を希望で?」
くしとゴムを持ちわくわくしたように聞いた
「うーん、三つ編み!」
彼女は元気よく答えた
「三つ編みって、今からどこから出かけるのですか…?」
疑心暗鬼で彼女を冷たい目で見てしまった
「いえ、そんなつもりは!ただ…狐さん三つ編み好きでしょう?」照れながらも彼女はそう答えた。ああ、なんて愛おしいんだ
私の好きな髪型まで覚えてくれているなんて
またいつもの笑顔を戻し
「ふふ、覚えてくれているなんて嬉しいですね。さあ、結いますよ」
ゆっくりと彼女の髪の毛をとる
さらさらで、いい匂いで。私と同じシャンプーやトリートメントを使ってるはずなのに。
ああ、愛おしさでどうにかなってしまいそうだ
食べたいぐらいに
愛している。
髪の毛を結う時にでもこんな事を考えてるなんて知られたらきっと…
知られたくない
今は、まだ…
コメント
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ふぅとりあえずお墓ないかな?入るから