道端に子ネコが寝ていた。
なでてやろうと近寄ってみると、子ネコはすでに死んでいた。
体に傷は見当たらない。
やせ細っているところを見ると、おそらく飢えにより息絶えたのだろう。
そのままではあまりにかわいそうなので、持っていたキーホルダーに付いていた小さな鈴をそえ、近くの花畑へうめた。
つややかにさく、ビオラの横だった。
夜になり、ひとっ風呂浴びて、わたしは床についた。
少しばかりときがたち、わたしがうつらうつらしたのを見計らうように、階下で飼い犬がほえた。
チリン…チリンチリン…
その音に続いて、ぽふっと、なにかがふとんにのった。
ふみっ…ふみっ…ふみっ…
わたしの上を小さく軽いなにかが、やわらかく歩んでくる。
ふみっ…ふみっ…チリンチリン…
顔にふうとやわらかなものがふれ、わたしは鼻先をちりっとなめられた。
小さな小さな舌だった。
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