赤い血が地面に垂れていく
今日は日記も書けなそうだ
震える手でインカムの番号を替え 、 小さく呟く
tn「『すまん 、 帰るのかなり遅くなるかも』」
「『心配せずに帰るまでこやんといてな』」
それだけ言ってインカムを切る
“来たらどうしよう”
そんなこと考える暇がなく 、 W国に背を向けた
インカム越しで聞こえる久しい声
gr「tn氏が遅くなる … ?」
「おかしいぞ …」
違和感がすごい
彼がなにかを過ぎることなんて一度もなかった
書類も期間内の3日前には必ず出していたし
俺の無茶ぶりでも必ず引き受けてくれた
そんな彼が ?そんなこと絶対にありえない
来るなって言われたが …
gr「行くか」
今は馬車の中
後ろには2つの馬車が着いてきている
俺が行くと言ったら全員着いてきた
何故だ
国は信用出来る同盟国に任せている
tnの母国までの道のりはとても長く 、 寝ている者もいたそうだ
gr「やっとついたぞ …」
急いで来たため 、 昼過ぎにはT国についた
T国で有名な大きな広場へ行く
そこには見慣れた彼と小さな少年 、 斧を持った男がいた
「俺のも赤色やからや」
gr「tn … 氏」
驚いた表情をして振り返る
tn「grさん ッ … !?」
上に挙げている手からは 、 “赤い”血がポタポタと垂れている
tn「なんで ッ … くんなって云うたやろ !!」
先程聞こえた「赤色」と言う言葉は 、 彼が言ったのだろうか
それだとしたら何が赤色なんだ ?
どう見てもtnには赤を身につけているようにも見えない
もしかして … 目 ?
tn「ぐ 、grさん … ッ ?」
gr「tn氏の目は 、 赤色なのか ?」
彼の口から「ぁ 、 ぇ …」
と明らかに動揺しているような声が聞こえる
gr「その様子だと 、 当たったようだな」
tn「ッ …」
彼は少年を抱いて 、 森の奥へ逃げてしまった
gr「… 行くぞ」
sn「… ッ」
ガサガサと音をたてて進んでいくと
茶色い屋根の家が一軒あった
表札には「schwein」と書いてあった
間違いない 。tnの家だ
カランカランとベルを鳴らす
『は 〜 い』
彼に良く似た女の人がでてきた
gr「tnはいるか ?」
「威圧感すご …」
『tn … ?ごめんなさい 、 今は出掛けていて … 』
gr「そうか 。行成申し訳なかった」
rb「すんませんね」
『 … ?』
あぁ 。バレてしまった
正直この国では死にたくなかったが 、 仕方ない
この国で一番思い出のある場所で終わろう
ゆっくり歩いて 、 “あの場所”に行く
何分 、 いや何時間歩いただろうか
あの場所までもう少し
そう思った時
ガサガサと歩く音と見慣れた声が聞こえた
やばいこっちに来ている
息が荒くなるに連れ 、 歩く足が早くなった
はやく 、 はやく ッ … !!
やっとの思いで崖の端まで来た
あとは飛び降りるだけ
「あ !tn !」
「tnさん !」
「tn氏 !」
遠くから近づいてくる仲間
やめて 、 来ないで
森が映っていた俺の目には 、 いつの間にか空が映っていた
grさんが手を伸ばしているがもう届かない
今までありがとう
ギリギリのところで止められなかった
地面に落ちてしまう
ぐしゃり
大嫌いで大好きだった赤色が 、 地面に流れた
コメント
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見るの遅れちゃいましたすいません(´・ω・`) でも今回も最高でした! 個人的には切ない物語が好きなので刺さりました!
おっふ…( ᷇ᴘ ᷆ ) まじでバトエン信者なってまうて…!!! いやまぁバトエン信者でもありハピエン信者でもあるけど( 最高だ👍🏻